今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の黄昏

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12月20日月曜日のパリは

先週よりやや寒くなった1日でした。

 

午後6度ほどの気温の中

帰宅前に暗くなってしまわないように

いつもより早めに散歩に出かけました。

 

左岸のあるところまではメトロで出て

そこから歩き始めたのです。

 

写真の『サン・シュルピス教会』は

「ノートル=ダム・ド・パリ大聖堂」が火災の後

一時的に「パリ大司教管区司教座」

つまり

カテドラルの代行を務めています。

 

この天候の空気なら

空は見慣れた暗灰色の光景のはずですが

寒空とはいえ

日が沈んでいないので

空の青さが残っており

何か不思議な空間でした。

 

セーヌまで出てみると

視界が開けて

夕陽が一部の建物のごく上部だけを

黄金色に染めていました。

 

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写真では目立たないながら

遠方の建物の屋根が

浮き上がっています。

 

ノートル=ダムの二つの鐘楼も

その向こうのクレーンも

夕陽を浴びていました。

 

セーヌを渡ると

ルーブル宮です。

 

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ピラミッドのある中庭を横切ると

屋根の一部だけ

間違えてそこだけペンキでも塗ったかように

色合いが違って

夕陽の与える効果に驚いてしまいました。

 

美術館は閉館時間まではまだ少しあるので

入り口であるピラミッドの前には

まだ人の出入りが見られ

周りでは

結構な数の人たちが

ピラミッドを背景に写真に収まっていました。

 

コロナ禍にあって

入場制限もあるらしく

予約をする必要があるとはいえ

ワクチン接種証明書があれば

見学できるようになっている状況に

嬉しくなってしまいました。

 

やはり

パリの光景には

多くの人々が楽しそうに行き来していることが

欠かせません。

 

空気は乾いていたものの

雨上がりのような光線の具合が

不思議な雰囲気を醸し出していた

夕刻でした。

 

今日の巴里の銘茶商

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『寿月堂』

なんて看板を見て

あなたは今何処に居るのか悩みませんか?

 

ところは巴里

ロック(6区)サンジェルマン・デ・プレ

オデオン

の中間あたりの裏通り。

 

ウインドーの中には。。

 

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煎茶用の白磁の急須と

柿右衛門風染付けの湯飲み茶わん

玉露用の緑釉も。

 

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こちらには

柿の実造りの銀彩棗とか

金粉まぶしの漆造りや

花と葉っぱを鱗風に仕立てた変わり焼き

などの棗。

 

小ぶりの楽の水差し

その他。

 

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繊細な柳葉かなんかの文様の菓子鉢に

白木の茶匙と

普段使いの大ぶりの急須と湯飲みも上品。

 

背後を飾るは金扇!

それらしくて笑

 

ウインドーのガラス越しに奥を覗くと。。

 

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あるわあるわ。

 

赤楽風茶わん

黒楽風

赤白それぞれの志野焼風

南部鉄風急須

茶釜

なんでも揃っております。

 

茶商と言うより

茶器茶葉一括取り扱いな風情。

 

でも奇をてらった内装でもなく

いたって

お茶に徹して

和の世界を守ってあります。

 

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お客が座っており

いたって清潔感のあるお兄さんが

接客しておりました。

 

座って接客

という形式は

超高級宝石店以外には

あまり見たことがありません。

 

近年のフランスの日本への関心は非常に深く

地方都市でも必ず和食の店があったりします。

 

フランス人の

異文化への好奇心と探求はとても真面目で

和食の店で

ご飯に醤油をかけて食べる人が今だにいるものの

衣食住サブカルに至るまで

結構な知識を持つ人達が居て

日本人も知らない様なこだわりを持つ人も

少なくないのです。

 

昔の「ジャック・シラク大統領」の

相撲の知識は

専門家顔負けでしたし

源氏物語や俳句などにも詳しかった。

 

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通りかかる人たちが

次々と立ち止まって

覗き込んでいたのが印象的でした。

 

右岸と違って

左岸は文化的な雰囲気というのは

単なるお題目ではないということを

実感した発見でした。

今日の珍客

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ひと頃日本にも出店していた

カルフールという

ハイパーマーケットに買い物に行った今日の午後。

 

クリスマス前の土曜日とあって

店内は結構混みあっていましたが

珍客が紛れ込んでおりました。

 

何を隠そう

鳩!

 

通路のお客の足元を

低空飛行で飛んでおりました。

 

飛ぶさまは

なかなかカメラで追い辛くて

下に降りたところを追いかけて

近寄って写してやろうと

自分でも何をやってるんだか笑と

思いつつ。

 

しかし

あまり急に近づくと飛んで逃げて行くし。

 

床を歩く速度も結構早く

写しやすい角度を待っていると

逃げてしまうので

とにかくシャッターを押すことを優先に考えてました

 

しかし

敵もさる者

どんどん逃げ回って

やっと

アジア食品コーナーの

ベトナム製やタイ製の

カップヌードルの前まで追い詰めたところで

なんとか写すことに成功。

 

ただし

ピントはブレブレw

 

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実はこの店

パンの一部を現場で焼いているのですが

そこの排気の為の開口部や

外につながっている商品ストックのバックヤードとのドアが開いてる時など

外から入ってくることがよくあるんです。

 

商品管理をしたり

床の清掃をやっていたりするスタッフ達も

別に怒るでもなく

騒ぐでもなく

追い出そうなどという試みは誰もせず

本人(本鳩?)が出口を見つけて自分から出て行くまでは

別に

何かが起こるわけではありません。

 

お客達の方も

「衛生状態ガー」とか

「保安管理ガー」とか

「不潔ダー」とか

そんな声は出ないようです。

 

したがって

ここでは以外と頻繁に目にする光景なのです。

 

「珍客来襲」というより

「共存共栄」というべきなのかもしれませんね。

 

 

今日の繕い物

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横断歩道の信号が赤だった。

 

当然

青に変わるまで待つわけです

立ち止まって。

 

で気がついたんですよ

足元の

不思議なつぎはぎに。

 

よく見ると

何らかの理由で舗装が割れるかどうかして

剥がしてしまったのか

剥がれてしまったのか

とにかくそんな傷跡を

修理してありましたが。

 

この修理が何とも

一見

余ったタイルの再利用.....としか

思えないのですが。

 

公共工事の

舗装修理を請け負う会社の作業員が

「余った」タイルなど

普通は持ち合わせていません。

 

つまりこれ

わざわざ

こんな風に修理するという前提で

わざわざ

タイルを集めて持参した

ということですよね。

 

もはや

路面修理というよりは

ストリートアートだ!

 

輪郭は

しっかり合わせてカットしてあるので

タイル職人の技術を使ってるわけです。

 

アスファルト流して

ローラーで固める作業員が

そこまでやるとは普通思えない。

 

しかも

部分的には

しっかりとデザインを考えて

タイルを配置したとしか思えない部分もあるし。

 

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行政が

こんな修理のやり方を

発注しますかねえ。

 

正直に言って

タイトルを

「今日のストリート・アート」

としようかと

迷いました。

 

いつぞや

橋を渡りながら

舗装の一部にポールを立ててあって

その周りに

唐草紋様みたいな線描きのデザインで

囲んであることを話題にしたことがありました。

 

その後

あれと同じ様な模様を他の場所の

一部舗装が欠落した歩道でも見かけたことがあって

それなりに

道路舗装の一部の痛みに注意喚起する表示も

アート思考なんだと

感心したのですが

今回で

確信に変わったと言っても言い過ぎではないかと

思ってしまいましたよ。

 

民間のNPOとか

ストリートパフォーマンスのアーティストとか

誰の発想かわかりませんが

粋なことをやる人が

この世に居るものです。

 

 

今日のコンクール 後編

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続きで3回目で最後です。

 

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巨大な岩の洞窟の不動の頑強さと

紙で形作られた脆さは

多くの作品に共通の感性のようです。

 

左端の羊と

小屋の前と右のロバと

全体右隅の子羊と

中央上部の3頭ほどいるらしい子羊と

右から登ってくる二人の村人(羊飼い)とが

紙や綿などで立体的に三次元で作られて

小屋の中の肝心の三人

マリアとヨセフと幼子イエスだけは

紙に書いて切り抜いただけの二次元。。。

 

何かを意味してるはず。

 

上の方の多くの星は

フランス中部「サンテチエンヌ」の学校の

これを作った子供たちの数だけ

空に浮かんでいるそうです。

 

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海岸と砂浜の上の多くの小舟で到着した

(求道の)旅人たち。

 

若者たちの旅の途中に起こるであろう困難

海と断崖と山との危険

人生の困難

という三つで「弱さ・危うさ・脆さ」を表した。

 

海岸横の岩の上の

流木と白い海鳥と

赤いトナカイ。

 

中央の断崖の途中にへばりつく少しの木々と

赤いトナカイと

頂上近くの奇跡を示す星。

 

右の山頂に上からぶら下がるガラス玉の中が

幼子の誕生するわずかな空間。

 

 

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ガラス玉に封じ込められたクレッシュも

複数あった。

 

脆弱さの象徴。。

 

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マリアもヨセフも

羊たちも

一見可愛いが

真っ赤なハートがひび割れて。

 

心臓は人間の内臓器官の最も大切なもの

人生そのもの。

 

マリアは

わが子の誕生から刑死までの苦しみの連続を見つめ続けて

心を痛める。

 

しかし

そのひび割れた心は

皆を愛し

見守る慈愛の心。。。

 

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木と紙と藁と粘土と

全て再生可能リサイクル素材で作られたクレッシュも

定番。

 

生きてゆく弱さを最大限表したかった

製作者たち。

 

日常生活の脆弱さと不安定さと不確実性

結局

弱さとは「物質」のことだ。。。

 

どの作品も哲学です。

 

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真冬の夕刻の

外が暗くなった

ミサを行っていない教会堂は闇と静寂とが

支配する。

 

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そんな中での

この子供たちやその母親たちが作った

30点ほどのクレッシュは

人生の表現そのものでした。

 

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見に行けて良かった。。。

今日のコンクール 中編

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昨日に引き続き

「弱さ(脆弱性・脆さ)」

をテーマにした「クレッシュ」制作コンクール

中編です。

 

最初の作品を作った子供たちは

幼子イエスを

普通のか弱い赤ちゃんのイメージで

表したかったそう。

 

現実世界を表す背後の球体は

柔らかくて薄い

弱さの代表のような「シルクペーパー」で作られ

しかその紙は

薄くて脆そうな割には

同時にしっかりと抵抗力がある。

 

白黒で泣いているイエスを表すことで

作品に向き合う自分たちの脆さの

暗喩だそうです。

 

テーマと

自分たちの名前を書いた紙を

細かくちぎって下に撒いてある。。。

 

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これは

児童館に集まる幼児たちのお母さんたちの作品。

 

普通のサラリーマン家庭の雰囲気を出して

日常感から

様々な直面する問題などを

想起させる。

 

登場人物の多くは

アフリカ系フランス人というのも

その日常が社会における意味を

示しているのかもしれない。

 

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この作品を作った子供たちは

身の回りにある

紙や木綿糸や細い木の棒や画用紙や綿など

少しも頑丈ではないと思われている材料を使って

身の回りに溢れている頑丈でないものを

人間は理解して役割を託して使いながら

日々を暮らしている...と。

 

哲学だ!

 

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これも

身の回りの「自然なもの」を使い

か弱い自然な物事が

周りには溢れていることを理解し

自然を守る義務を

理解しよう

だそうです。

 

洞窟は粘土で作り

粘土は自由に形作れる便利な物だけど

乾けば壊れやすくなる。。

 

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つま先を触れ合わせた両手は

包み込む愛の心を表し

白い綿で

はかなさと弱さを表し。。。

 

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これは

とても短い説明文でした。

 

「ガラス瓶 粘土 宝物」

 

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ポリエチレンとたまごの殻と

背後の大きな卵はポリエチレン製の卵。

 

登場人物は

全て

たまごの皮を割ったもので

モザイクに作られている。

「卵」が今回の意テーマに最もふさわしい

と。

 

 

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これは説明抜きに美しい。

 

とても素晴らしい展示会なので

あともう一回だけ

続けさせてください。

 

今日のコンクール

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とある修道会が

全国の系列のリセ「中高校」や

「親子会館」

「児童館」

などに呼びかけて行った

「クレッシュ制作コンクール」

という

おもしろい催しがあったことを知り

展示を見てきました。

 

展示されている教会堂の内部が夕刻でとても暗く

近くの照明が部分的に当たっているだけで

写真を撮るには過酷な条件でした。

 

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毎年テーマが出されるそうで

今年のテーマは「弱さ」

だったそう。

 

人間の精神と肉体との弱さや

社会の脆弱さ

物質の半普遍性

などなど

解釈は自由だったそうです。

 

 

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この作品は

難破する船を

人生に例え

社会に例え

道徳に例えて

船でクレッシュを表現したそうです。

 

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「ハートの中の無数のハート」

神の途切れることのない愛を表し

神の愛が必要な

人間の弱さを表し

神の無限性の元の人間の有限性...

という脆弱さを表現した

かなりキリスト教的解釈の強い作品です。

 

もともと修道会の催事なので。

 

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「コロナ禍」という

典型的なあら日の只中にいる人間たちは

信じることが不可欠。

 

ともに手と手を携えて

一緒に困難に立ち向かい

根を下ろし

根を張り

信じあって弱さを力に変えてゆく...

 

タイムリーな発想ですが

普遍的な発想です。

 

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卵は脆さの象徴で

そして

命の再生のシンボル....

 

その卵の殻を寝床として

イエスが誕生する....

 

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硬い木が弱さを守る強さ。

 

硬い木材を構造に使って

それ以外のものの材料は

靴下や

麦わら。

 

脆さは

平衡を保つために力が必要で

強さは

弱さを守る。

 

宗教的な感覚が現れているのは

「クレッシュ」ですから

当然ですが

なんだか

中学生や

お母さんと子供達が作ったとは思えないほど

哲学的です。

 

まだご紹介したいので

続けます。

 

今日の稀な機会

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本日12月12日日曜日は

「支倉常長 没後400周年記念荘厳ミサ」

という行事がることを漏れ伝え聞いて

信者でもないのに

潜入してきました。

 

この写真はミサを司式された

「ジャン=ルイ・ブリュゲ大司教」です。

バチカン図書館と文書管理部の名誉書士

だそうです。

 

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場所は

パリ市内『Mission Etrangère de Paris』

(パリ 海外宣教活動協会)という

欧米以外の非キリスト教文化圏に

ローマン・カトリックを布教するために

宣教師を派遣する団体の

礼拝堂。

 

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ミサの進行に沿って

「ミトラ(司教冠)」をかぶったままだったり

ミトラを取り

その下につける「カロッタ(丸帽)」のままで臨んだり

あれこれ

決まりがあるらしい。

 

ちなみに

カロッタは

教皇は白

枢機卿は紫

司教大司教は赤と定められています。

 

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カロッタ姿で

乳香を焚く「煙玉」を振る「大司教」。

 

白い服は

ミサの進行の補佐をする人たちで

聖職者ではなく「侍者」と言い

聖歌隊も同じです。

 

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特別主賓だと思われる駐仏全権特命大使イハラ氏に

祝辞を述べる

「ミトラ」をかぶり司教杖「バクルス」を手にする

大司教。

 

支倉常長は

地中海で悪天候を避けて「サン・トロペ」に緊急上陸し

フランス領土を初めて訪れた日本人

だったのです。

 

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「400年忌を迎える侍カトリック信者」

と言うタイトルで

今日のミサを告知した記事が掲載されている

バチカン「L'ART SACRÉ 2」という

キリスト教美術の広宣活動組織の

パンフレットが用意されていました。

 

ちなみのこの大司教は

その組織の責任者でもあるそうです。

 

1時間ほどのミサは

講話もラテン語

聖歌はグレゴリオ聖歌と

とっても美しいもので感動的でした。

 

この協会の礼拝堂の前に

「ビルマ」(と書いてあってミャンマーではなかった)

で飾られた「クレッシュ」が

置かれていました。

 

登場人物が

全員「ビルマ」の姿形をしており

海外での布教活動の

繊細さと難しさを伝えてくれるものでした。

 

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今日の驚きのクレッシュ

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今日は

とっても素敵な「クレッシュ」を見つけてしまいました。

 

「サント・ジャンヌ・ド・シャンタル教会」

(シャンタルの聖ジャンヌ教会)

という

パリの西のはずれの

戦前に定礎し

途中の対戦を挟んで30年程かかって

建立された教会です。

 

まず最初に驚いたのは

正面の扉口を入ってすぐ

身廊の信徒席に入るところになんと

「東方三軒人」

が居るではありませんか。

 

でも

「クレッシュ」本体としては

それだけでは全く成り立ちません。

 

おそるおそる

中央の通路を進んで行くと。

 

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中央祭壇までの途中に

縦の通路と横切る通路があって

そこの角に

「第一村人発見」

 

なんと羊飼いの二人がいるではありませんか。

 

そしてさらに奥の中央祭壇を挟んで左右に

なにやら。。

 

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左手に

牛と驢馬とが嬰児(みどりご)の入るはずの褥を挟んで

待っています。

 

木の柱と梁の家畜小屋ですが

窓にはステンドグラスが。

 

祭壇の右手に行ってみると。。

 

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やっと

ヨセフとマリアがおりました。

 

建物の戸口に跪いて

敬虔な雰囲気で祈りを捧げながら

時が来るのを待っています。

 

これは...

 

きっと24日直前に

「東方三軒人」以外の部分を

一箇所に集めて

シーンを再現するのではなかろうか。

 

こんなの

初めて見ました。

 

きっと年が明けて

1月5日の直前に

三軒人もそこに加わるのでしょう。

 

いやあ

「劇場型クレッシュ」です。

 

これを考えたの

誰なんだろう。

 

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毎日

何かを発見できるなんて

面白すぎる。

 

これまで

これほど丁寧に見て回ることなどなかったのですが

これからは

毎年「クレッシュめぐり」は欠かせなくなりそう。

 

 

今日のクレッシュ

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昨日に引き続き

今日もクレッシュをご紹介しますが

『Notre-Dame d'Eyrau(エィローの聖母教会)』

です。

 

その前に

歩いているとき

寒空に「ほぼ半月」が綺麗に見えました。

 

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今日の教会は19世紀末に建てられた

鉄骨製の教会堂です。

 

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柱も梁も鉄骨なのが

わかりますでしょうか。

 

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クレッシュは

間口4mくらいと

教区教会にしては大規模。

 

暗い中で

焦ってシャッターを切ったので

ブレブレになってしまいました

ご容赦を。

 

一番左に

すでに駱駝がいて

東方三軒人の来訪を予見させます。

 

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家畜小屋の向かって左には

村人(羊飼い)その1が

赤ん坊の子羊を背負っていて

イエスの降誕を予見させまていす。

 

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小屋の右側に

村人その2が祈りを捧げながら

「そのとき」を待ち受けています。

 

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小屋の中には

奥に牛が二頭見守っていて

ヨセフは立って

マリアはひざまづいて

祈りを捧げています。

 

大工ヨセフが作ったのかもしれない

木の寝床に

当然ながらイエスは未だいません。

 

その褥には

聖書が開いておいてありました。

 

実は

右側で跪く村人その2の後ろに

電気で動く小さな滝を置いてあって

誰もいない

暗い聖堂のしじまを

水音だけが破っていました。

 

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聖堂から外に出ると

半月が

こちらを見下ろしていました。

 

今日の「カウントダウン」5

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12月も初旬を過ぎ

商店のデコレーションもやっと増えてきて

例年よりずっと遅いものの

各教会にも

「クレッシュ」が登場しはじめました。

 

お人形で

ベツレヘムの家畜小屋での

神の御子の誕生を祝う場面を再現するのが

「クレッシュ」です。

 

冒頭は

「サント・テレーズ礼拝堂」

の例ですが

なんと聖堂内ではなく

外にしつらえてありました。

 

 

結構大きな石像です。

 

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クレッシュの主な登場人物は

中央に

マリア

ヨセフ

24時頃になると

大天使ガブリエルが登場することも。

 

そして24時を過ぎてから

中央の寝床に

御子イエスが置かれ

ニワトリも登場。

 

後は周囲に

村人たちが

いたりいなかったり。

 

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次は

「サン・ピエール・ド・ヌイイ教会」

 

ここのは聖堂内ですが

わざわざ小屋掛けしてありました。

 

既に星が出ていて

大天使もいますが

中央の丸いゆりかごの中にイエスはまだ居ません。

 

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ここは

牛と羊は2頭ずつ。

 

村人は

一人がすでに近づいていて

もう一人羊飼いは

まだ「その瞬間」に気づいていないようです。

 

この時期は

町中の教会を訪れて

「クレッシュ」詣をするのも

楽しいですよ。

 

一般家庭では

ツリーはほぼどの家にも飾られますが

クレッシュを出す家庭は少数派かもしれません。

 

重要な教会の近くには

ロザリオや十字架などと

その他教会関連の装飾品を売ってるお店が

よくあります。

 

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一般家庭では

親から子に受け継がれるクレッシュもありますが

若夫婦が子供が生まれたら

こういうお店で

自宅の条件に合わせて

購入しているわけです。

 

大人数の大掛かりなものから

ごく小さなものまで。

 

毎年出して飾るのは

なんだか雛人形みたいですね。

 

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日付が変わって

12月25日になってから飾る

イエスもありました。

 

普通

イエスが当然一番小さいのですが

このお店に

大きな健康優良児の御子がおりました。

 

幼稚園や団体など

それなりに大きなクレッシュを

飾る組織の為のようです。

 

初めて見た。

今日の「れれれ」

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所用で

普段行かないところに行ってみたところ

「れれれ」

なものがたくさんありました。

 

まずこれ。

 

今時「ピカチュウ」なんて

ほとんど見ないんですが

なんとウインドーいっぱいに全開状態。

 

しかも大きい...

 

シュトロンフより

ミッキーより

スヌーピーより

断然でっかい。

 

5歳くらいの男の子が

ウインドーのガラスにおでこをくっつけんばかりにして

見とれていました。

 

そ〜なんだ

未だに

子供たちを惹きつけるんだ

改めて.....

 

それから。

 

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変わった「マカロン屋さん」も発見。

 

なんだか

デコったネイルみたいに

表面が飾ってありまして

こんなの見たことない。

 

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一見綺麗だったんですけど

なんか違うような気もしないでもありません。


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奥のショーケースの中に

ガラスの球体に入った巨大なマカロンが一個

鎮座しておりました。

 

表のガラス戸越しなのでピンボケご容赦。

 

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軒先に

「ロンドン」

「イスタンブール」

「トーキョー」

「ニューヨーク」

と誇らしげに大書してあります。

 

なんでイスタンブール!?

 

パティシエがトルコの人なのかもしれませんね。

 

最後におまけで。

 

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集合住宅の外壁に

サンタクロースがぶら下がっていましたよ。

 

昔はよく見かけたものですが

最近パリでは

トント見掛けなくなってました。

 

いとなつかし。

 

パリに隣接する「ヌイイ・シュー・セーヌ」という

小さな自治体で

基本的には高級住宅地なんです。

 

古き良き伝統が

残っているとみた。

 

たまには違う街を歩くのも

気分が変わって良いものです。

 

今日の驚天動地

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あっという間に暗くなって

我が家への足は

早まる一方でしたが。

 

ふと

このお店が気になりました。

 

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横にあった二つの窓の外側のブラインド・ドアが

左右に開いてあり

両側の窓のブラインドの片側ずつが

くっ付き合うようになっていて

カンテラがかけてあったのが気になったようで

立ち止まってしまった。

 

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入り口の扉に

クリスマス・リースがかけてあったのも

感じよかったのです。

 

何のお店なんだろうと

ガラス越しに中を覗いたら。。

 

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奥で女性が一人

PCのモニターの前で

なにやらお仕事中の様子。

 

内部は

手回し蓄音機の朝顔ラッパが見えたり

何気にアップライトピアノがあったり

銅版画らしきものがかかっていたり

18世の貴族の胸像があったり

正体不明ながら

なにやら落ち着いて

上品な雰囲気です。

 

でも

なにが商売なのかやからず

外側の看板をあらためて見てみると。。。

 

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「TATTOO☆♡☆♡」

キターーー☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

 

なんとなんと

刺青屋さんでした!

 

屋号も

『CHATEAU D'ENCRE』

「インク(墨)の館」

って。

 

どこの町にもタトゥショップはありますが

100%

えぐいデスメタ風か

趣味の悪いゴスロリ風なんですよ。

 

こんな

「上品な」

「伝統的な雰囲気の」

彫り屋を営業してるなんて!!

 

びっくらこいた.....

 

暗くて

真っ黒な写真だったのを

無理やり明るく色調を変えたので

おも苦しかったと思いますが

どうしてもご紹介したくて

あえて掲載しました。

 

あまりのミスマッチに

驚いたあまりの結果ですので

ご了解下さいまし。

 

ふぅ〜〜〜〜〜〜

 

しかし

それにしても

クリスマス・リースと

合わなさすぎだろw

今日の主張

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廃業してテナントがいなくなった空き商店のウインドーに

なにやら

ポスターがベタベタ

貼ってあるではありませんか。

 

いや

別にこういう光景自体は

不思議でもなんでもないんですけど

その見てくれがなんとも

不思議おかしいくて。

 

妙な顔つきの猫が

きっちりスーツ着てネクタイ締めて。

 

ただそれだけで写真に撮って

帰ってから整理してて

やっと気がついた。

 

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「2022年 フランスの猫はZIGGYに投票する」

とある。

 

来年2022年は大統領選挙なんですよ。

 

マスコミ界隈ではすでに各党の候補者の決定や

仲間割れやらが

とり立たされ始めてます。

 

それでこの猫ちゃん

『労働時間をより少なく

より多く食べるために』

とある。

 

これ

選挙ポスターをもじったんですね。

 

公約を謳ってあるんですよ

実に。

 

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こちらのネこー補さんは

「政権交代を 今こそ」

じゃなくて

「食料の変更は 今こそ」

だってw

 

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「フランスを我らの手に」

じゃ無くて

『フランスを 毛(もふもふ)の元に』

大笑いです。

 

そして次の候補者に至っては...

 

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「Yes We Can 」じゃなくて

『YES WE CAT』

だって

君はマルコムXか

オバマかww

 

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そして

メーカーさんのポスターに

『LE POUVOIR AUX CHATS』

とあります。

 

実はここ四半世紀以上

社会的標語として

「LE POUVOIR D'ACHATS」

(プヴォワール・ダシャ)

という言葉が政治家も国民も頻繁に口にします。

 

「購買力」という意味で

物価上昇率と賃金の上昇率の差のことなんです。

 

これをプラスにすることが

国民の票を求める政党と

労働組合と

国民との間での

根本的思想なのです。

 

それの

語呂合わせ。

 

直訳してしまえば

「猫に権力を」となるんですが

何にせよ

時宜に即した

見事な宣伝でありました。

 

「カリカリ」も「パテ」も有って

「健全で」「(時流に)即した」

だそうです。

 

やるじゃん。

 

 

今日の瑞兆

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12月5日日曜日の今日

すごい虹を見ました。

 

例によって

午後やや遅めに散歩に出て

すぐに小雨が降ってきて

傘も持たずに出たので

濡れながら

罵りながら

歩いたんです。

 

1時間ほどで切り上げて帰宅してる時

何気なく横丁を見たら

なんと

すごい虹が出ていた。

 

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虹を見る機会はたまにあるけれど

いつにも増して

色鮮やかだった。

 

やややや

てな訳で一枚写して

アップでもう一枚。

 

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こんなにも

「色の束」の太い虹なんて

見たこともなかった。

 

想像したこともなかった。

 

輪郭がもっとクッキリした虹はみるけれど

距離が遠いせいなのか

幅は狭いのがこれまでの虹のイメージでした。

 

それがなんと

ひと抱えもありそうな

色彩の束。

 

慌てて

もっと空間のある

広角に写せるところへと

急いだ訳です。

 

そして撮ったのが

冒頭の写真。

 

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頭だけとはいえ

エッフェル塔も画角の中に入れることができたし

大満足です。

 

こんなすごい虹を見る機会など

二度とないに違いない。

 

これを「瑞兆」と呼ばずして

なんと呼ぼうや!

 

小雨に濡れながら歩いた老犬は

色彩の束のような棒に当たりました。

 

後で気づいたけれど

鳥か

ドローンだか

何か飛んでます。

 

屋根より高い目線で

写してみたかったなあ。

 

今夜は良い夢を

みることにしよう。。