今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日のコンクール 後編

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続きで3回目で最後です。

 

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巨大な岩の洞窟の不動の頑強さと

紙で形作られた脆さは

多くの作品に共通の感性のようです。

 

左端の羊と

小屋の前と右のロバと

全体右隅の子羊と

中央上部の3頭ほどいるらしい子羊と

右から登ってくる二人の村人(羊飼い)とが

紙や綿などで立体的に三次元で作られて

小屋の中の肝心の三人

マリアとヨセフと幼子イエスだけは

紙に書いて切り抜いただけの二次元。。。

 

何かを意味してるはず。

 

上の方の多くの星は

フランス中部「サンテチエンヌ」の学校の

これを作った子供たちの数だけ

空に浮かんでいるそうです。

 

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海岸と砂浜の上の多くの小舟で到着した

(求道の)旅人たち。

 

若者たちの旅の途中に起こるであろう困難

海と断崖と山との危険

人生の困難

という三つで「弱さ・危うさ・脆さ」を表した。

 

海岸横の岩の上の

流木と白い海鳥と

赤いトナカイ。

 

中央の断崖の途中にへばりつく少しの木々と

赤いトナカイと

頂上近くの奇跡を示す星。

 

右の山頂に上からぶら下がるガラス玉の中が

幼子の誕生するわずかな空間。

 

 

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ガラス玉に封じ込められたクレッシュも

複数あった。

 

脆弱さの象徴。。

 

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マリアもヨセフも

羊たちも

一見可愛いが

真っ赤なハートがひび割れて。

 

心臓は人間の内臓器官の最も大切なもの

人生そのもの。

 

マリアは

わが子の誕生から刑死までの苦しみの連続を見つめ続けて

心を痛める。

 

しかし

そのひび割れた心は

皆を愛し

見守る慈愛の心。。。

 

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木と紙と藁と粘土と

全て再生可能リサイクル素材で作られたクレッシュも

定番。

 

生きてゆく弱さを最大限表したかった

製作者たち。

 

日常生活の脆弱さと不安定さと不確実性

結局

弱さとは「物質」のことだ。。。

 

どの作品も哲学です。

 

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真冬の夕刻の

外が暗くなった

ミサを行っていない教会堂は闇と静寂とが

支配する。

 

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そんな中での

この子供たちやその母親たちが作った

30点ほどのクレッシュは

人生の表現そのものでした。

 

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見に行けて良かった。。。