今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の王様

f:id:kishinohakuba:20220104171800j:plain

 

本日1月6日は『公現祭』で

「主の公現祭」とも呼ばれます。

 

 

ローマ・カトリック教会は

征服して広げたローマ帝国内の

あらゆる民族に布教するために

いろんな土着の宗教の冬の祭りを集大成した形で

12月25日を主の降誕祭と定めたのが3世紀前後

だったそうな。

 

人々が豊かさに溺れて驕り高ぶり

世の人心乱れに乱れ

これはもはや最後の審判が近いのではと恐れて

「メシア(洗脳の救世主)」の誕生を待望していた

2000年前のパレスティナに

東方世界から主の誕生を確信して訪れた

三賢者は

出現した未知の星が光が指し示す地を目指し

捧げ物を持ってベツレヘムに到着したのが

1月6日。

 

「あなたこそが神の御子、王の王です」

と宣言したことで

「主の公現祭」と呼ばれるようになった

 

能書きはこれくらいにして

この日を祝って食べるお菓子が

『ギャレット・デ・ロワ(王のギャレット)』

 

f:id:kishinohakuba:20220102174047j:plain

 

中に「フェーヴ(ソラマメ)」を一個入れておき

切り分けて食べる際に

そのフェーヴに当たった人が

その日の「王」となる

という遊びが近世以来定着していった。

 

フランス全土の

パン屋さんとケーキ屋さん

(この二つは共通していることが多い)

では

山ほどのギャレットが売られるのです。

 

f:id:kishinohakuba:20220104180436j:plain

 

実際には

「フェーヴ」は陶製の小さな人形だったり

マリアのメダル様のものだったり。

 

当たった人にかぶせる紙製の「王冠」が

一緒についてきます。

 

クロワッサンの様なフォイユテの生地の中に

アーモンドペーストが挟まれています。

 

ただ最近は

チョコレートでコーティングしたり

粉砂糖でアイシングしたり

付加価値をつけて差別化を図ることも多い様です。

 

f:id:kishinohakuba:20220104180154j:plain

 

f:id:kishinohakuba:20220104180311j:plain

 

ただ

この「王(ロワ)」とは所謂一般的な王様ではなく

三博士のことなんです。

 

イエスは「ユダヤの王」として待ち望まれた

 

この「王(ロワ)」は

民族の精神的リーダーという様な意味です。

 

その「ユダヤの王」を認定した三博士のことは

「ロワ・マージュ(マギの王)」

だから

「Galette des Rois」の不定冠詞「des」で

王様という名詞全般につける定冠詞「du」ではない。

 

当たった人は

「王様ゲーム」の様に

好きなことができるわけではありません笑

 

f:id:kishinohakuba:20220104180354j:plain