出ました
出ました。
青果店の店頭に
積み上げられてた
今年初お目見えの「セップ茸」を
発見。
イタリア語での
ポルチーニ
の方が
日本では通じやすいのかもしれません。
秋の味覚と言えば
キノコを外すわけにはまいりませぬ。
そして
ヨーロッパでキノコといえば数ある中で
その登場が地元民の心をくすぐるのは
セップなのです。
なんといっても
シンデレラの
七人の小人のお家にもなってるくらいなんですから。
その登場が市民に秋の到来を告げる
という意味で
そして市民がその登場を喜びを持って待ち望む
という意味でも
さらに
秋の「美味しい」を代表するという意味でも
日本の松茸のポジションなのです。
松茸ほどにド高ではありませんが
それでも結構なお値段なのです。
形も大きさも
極めて不揃いなのも
「天然物」ならでは。
早速
何人かの若い女性客が
買っていました。
好きなのを
好きな数だけ選んで
量り売り。
このごつごつとした
鬼の手の甲みたいな傘といい
他のどれよりぶっとい石づきといい
他を凌駕する威容を誇る一本。
フランスで高価なキノコといえば
トリュフがすぐ浮かぶでしょうが
あれは
土の中に潜っている
キノコらしい形をしていない
そしてやたらに高価
ということで
一般の台所で普段使いはされません。
そこへゆくと
セップは日常的。
粗切りでバターでソテーして
ステーキの付け合わせにしたり
小さめにスライスしてバターで炒め
オムレツを作ったり。
はたまたリゾットにしたり。
秋の「おふくろの味」の定番です。
今年は夏が雨がちだった日々で
葡萄の生育が芳しくなく
ワインにはあまり歓迎されない気候でしたが
そんな天候の夏の年は
秋にキノコの生産が豊かになる
というのが常識だった。
なのに、今年はキノコまで不作だそうで
地球は一体どうなってるんだろかと
心配になってしまいます。
その昔
鉄道も通ってお=いない
フランスの最深奥部といわれた『ペリゴール地方』で
とあるシャトーのレストランで出てきた
セップをこれでもかと上に盛り上げた
平たいオムレツが
とても美味しかった記憶が蘇ってきました。
馬も人も肥える秋です。