今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の上書き保存による完全消去

 

雨がちで気温が上がらない

2月下旬のパリ。

 

オリンピック・イヤーのせいもあるんだろうけれど

町中が工事中だらけ。

 

建物の外壁のお化粧直しから

通りの石畳みの張り替え

車線変更やらバスレーン拡張やら

なんやらかんやら。

 

近年

工事中の建物の外壁の足場を全てカバーで覆ってしまい

その表面に本来の外壁そのままの絵を描いたりする事が

トレンドになっています。

 

 

シャンゼリゼの某有名ブティックは

なんと昔のシンボル的自社製品を

そのまま再現するかの如き足場カバー装飾を

出現させてしまった。。

 

そんな中

とある建物の増改築工事の現場の横を歩いたら

へんてこりんな壁がありました。

 

 

敷地の歩道ギリギリまで

プレハブの現場事務所かそれらしきものが作られていて

その外側の歩道上にも

仮設の施設が中空に立ち上がっていて

 

その境目の凸凹鋼板の塀の外に

臨時の歩道が作ってあった。

 

そしてその鋼板の塀に

乱雑な模様が描かれてたんですが。。

 

 

普通の落書きなら

多かれ少なかれデザイン性がある

独特の文字かデッサンか何かが

書かれているはずなのに

かなりランダムにペンキで点描がなされてるだけ。

 

実は

手に負えないほどのグラフィティの被害にあった際

消すのが大変なので

あらかじめ

落書きされたくない部分に

変な迷彩柄の図案を書き込んでおく事が

流行った時期があった。

 

これもその逆ヴァリエーションで

落書きされた塀に

書き込まれた落書きの部分を消すのではなく

後から全体に上書きする事で

落書きを見えなくしてしまう

という試みに思える。

 

 

だから

おそらく書き込まれた高さの部分だけ

なんとなくその上下とは違ってみえませんか?

 

 

 

 

落書きは

塀全体ではなく

一定の高さになされて

その部分だけを濃いめの下塗りをした上に

集中的にペイントを乗せたために

その部分がなんとなく違って見える。

 

苦労したんだろうなあ。

 

 

落書きの上に

ただ一色でベタに塗って消し去ろうとしてまったら

その上から

また落書きされる恐れが高い。

 

相手は「上書き保存」してやる気になるでしょう。

 

だったら

字も絵も描き辛い様な迷彩模様を塗り被せて

かつ塀全体としても

それなりのデザイン性を感じさせるように

落書きの「上書き消去」を

試みたに相違ない。

 

 

ね。

 

全体的に把握できる角度で見たら

おおよそ分かります。

 

これで

相手はこの上からまた悪さをしようという気には

ならないでしょうよ。

 

落書きされたまま放置しても

消しても

また同じ様に描かれる。

 

だからこの方法を考えついたのだ

たぶん。

 

 

勝負あった。

管理者の勝ち。