今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の街角の抗議

 

オペラ座の界隈に

古くから存在する

知る人ぞ知るレストランがありました。

 

アメリカン・パブで

アメリカ系のミュージシャンのショーもやる

今でいう「ショーパブ」です。

 

なんと創業1909年!

 

北米大陸のローカル国アメリカが

第一次大戦に参戦して世界的に台頭し始める

その頃。

 

パリジャンたちは

新興国アメリカという存在に具体的に興味を示し始め

欧州にやって来るようになった米国人観光客が

特にパリに興味を示し始めた頃。

 

パリジャンたちにとってはエキゾチックで

アメリカ人たちにとてっては旅先で懐かしい祖国の雰囲気

そんな感じで流行っていたのでしょう。

 

第二次大戦に従軍した米国兵たちが

ノルマンディー上陸作戦で

フランスに

パリにやってきてその魅力に目覚め

戦後復興を経て

懐かしいパリに観光に来るようになった。

 

そんな流れで流行ってた

米国人用ガイドブックには必ず載っていた

そんなレストラン。

 

21世紀を迎える頃から

「こんなお店に来る客いるのかな」

と思いながら横を通っていたのですが

とうとう閉店してしまったらしく

外壁はポスターを張られまくっていました。

 

 

ハンドメイドっぽい

歪んで不透明なアメ色のガラスの窓は

内側から白い紙を貼られて見る影もなく。。

 

そんな中

閉ざされた玄関口の落書きに

目が止まりました。

 

なんとなく

「バンクシー」の作風っぽく

見えたのです。

 

 

最近のバンクシーは

社会的な問題のある場所に描くことが多いようで

こんな場所に書くはずはなかろうから

違うだろうとは思いながら

よく見てみると。

 

 

ガスマスクを付けた少女の絵柄に

記憶がありました。

 

4年ほど前

ルーアンという町の郊外の化学工場が大火災を起こし

有害物質が周辺に飛び散って

公害問題になったことがありまして。

 

その時

ルーアン市内のあるパン屋さんの外壁に

描かれたストリートアートに

そっくりだった。

 

 

右目の部分に

おそらく他の絵の目の部分を貼りつけてあり

これが描かれた後に

他の誰かがイタズラしたのか

書いた作家自身が

何らかの意味を込めてコラージュしたのか不明ながら

顔つきがオリジナルと少し変わって見えます。

 

ストリート画家として

結構有名な「ガスパー・リエル」の作品です。

 

この潰れた(おそらくコロナのせいで?)レストランに

なぜ書いたのか

それも不明です。

 

もしかしたら

旧オーナーの依頼かもしれないなどと

考えながら

古き良き時代のパリの観光名所の火が消えた

大げさに言えば

一時代が終わった

そんな感慨に浸りながら歩き続けました。