『寿月堂』
なんて看板を見て
あなたは今何処に居るのか悩みませんか?
ところは巴里
ロック(6区)サンジェルマン・デ・プレ
と
オデオン
の中間あたりの裏通り。
ウインドーの中には。。
煎茶用の白磁の急須と
柿右衛門風染付けの湯飲み茶わん
や
玉露用の緑釉も。
こちらには
柿の実造りの銀彩棗とか
金粉まぶしの漆造りや
花と葉っぱを鱗風に仕立てた変わり焼き
などの棗。
小ぶりの楽の水差し
その他。
繊細な柳葉かなんかの文様の菓子鉢に
白木の茶匙と
普段使いの大ぶりの急須と湯飲みも上品。
背後を飾るは金扇!
が
それらしくて笑
ウインドーのガラス越しに奥を覗くと。。
あるわあるわ。
赤楽風茶わん
黒楽風
赤白それぞれの志野焼風
南部鉄風急須
茶釜
なんでも揃っております。
茶商と言うより
茶器茶葉一括取り扱いな風情。
でも奇をてらった内装でもなく
いたって
お茶に徹して
和の世界を守ってあります。
お客が座っており
いたって清潔感のあるお兄さんが
接客しておりました。
座って接客
という形式は
超高級宝石店以外には
あまり見たことがありません。
近年のフランスの日本への関心は非常に深く
地方都市でも必ず和食の店があったりします。
フランス人の
異文化への好奇心と探求はとても真面目で
和食の店で
ご飯に醤油をかけて食べる人が今だにいるものの
衣食住サブカルに至るまで
結構な知識を持つ人達が居て
日本人も知らない様なこだわりを持つ人も
少なくないのです。
昔の「ジャック・シラク大統領」の
相撲の知識は
専門家顔負けでしたし
源氏物語や俳句などにも詳しかった。
通りかかる人たちが
次々と立ち止まって
覗き込んでいたのが印象的でした。
右岸と違って
左岸は文化的な雰囲気というのは
単なるお題目ではないということを
実感した発見でした。