今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の巣立ち

 

我が家は

バスルームと台所とが

裏側に向いています。

 

その裏側の空間の左手は

隣の建物の側壁が視界を塞いでいて

表に向いていない壁なので

表面の化粧仕上げは施されていないという

おきまりの粗石積みの壁に

小さな窓が各フロアに一つずつあるのです。

 

長く住んでいて

一度も開いているところを見たことがないので

おそらく開かない窓なのかもしれませんが

そこの出っ張りに

先月初め鳩が巣作りをしました。

 

以前

我が家の窓の手すりに設置した

中型の植木鉢が3個入るプランターに

巣作りに来て

大騒ぎをしたこともあったのです。

 

開けっ放しの浴室の窓から

なんとその鳩が飛び込んできて

リビングで鬼ごっこ状態になったことがあり

窓辺に

糞やら羽やら外の埃やらをもたらすので

いつも追い払っていました。

 

でも一度雛をかえすと

毎年来るんです。

 

その後鳩が来られないように

プランターは撤去していたのですが。

 

そんな中で

すぐ見えるのにうちから手の届かない隣の建物の側壁の

窓辺に巣作りして

卵を産んだのです。

 

2週間ほどで2羽のヒナがかえりました。

 

 

孵化して更に20日程が過ぎ

そこそこ育ってきた頃

親鳩は日中は放り出してどこかに食事に行って

夕方しか帰ってこなくなっていたと思ったら。

 

とうとう

巣立ちを求めて

小鳩に飛び立つことを促し始めたのです。

 

 

写真の右は

親鳩で

左が1羽の小鳩です。

 

 

実は見ていなかったのですが

たまたま家人が見ているときに

1羽の小鳩が思い切ってジャンプし

2〜3回羽ばたきした後

飛べずに落下してしまった

と。

 

その翌日

また親鳥が残った1羽の小鳩に

飛ぶように促していました。

 

でもなかなか飛べずに

親鳩は

ついにどこかに飛んで行ってしまった。

 

 

残された小鳩は

その後

ウロウロしていたのですが。。

 

 

なんと別の小さな鳩が

どこからかやってきて

彼に飛ぶように呼びかけて

促していました。

 

大きさから見て

その小鳩とほとんど変わらないくらいなので

甥か姪なのではなかろうか

勝手に想像。

 

 

そして

これも見ていなかったのですが

とうとうその小鳩は飛べたようで

後から見たら

既にいませんでした。

 

その後

母鳩がやってきて

落下して地上階の屋根にぐたりしている

もう1羽の小鳩を

何度も何度もくちばしで押したりして

元気を出せと

励ましているように見えました。

 

その小鳩も

何度か少しずつ位置を変えたりして生きていたようですが

その後

動かなくなってしまった。。。。

 

合掌。

 

母の愛は

人も鳩も同じなんだと

なんだか

ホロリとさせられた出来事でした。

 

 

今日の目から鱗

 

フランスで

「書籍・カメラ・オーディオとIT」の

大型量販店で昔から名高い

『FNAC』

というチェーン店があります。

 

家電とカメラ及びITだけなら

他にも

『Darty』とか『Boulannger』などありますが

「フナック」は書籍が重要なので

ポジションが独特なのです。

 

たまたま(お得意ですがw)立ち寄ったので

普段は行かない

「マンガ」のコーナーにも

ちょろっと行ってみて

びっくり大仰天。

 

 

先だって

欧米は本が左開きなので

日本の右開きのマンガ本を翻訳するときは

裏焼きして

左右逆になってしまう

と書きましたが。。。

 

なんと

今や

全部

右開きになってた!!

 

ということは

幼い頃から体得している

左に開いて

左上から

右下に読み進む

という行動原理が根底から覆されているわけです。

 

しかもマンガだと

コマ割りのテクニックで

二次元の平面上に

三次元的動きを感じさせてくれるわけで

それが

逆向きに読み進まなければならないわけですよ

彼らにとっては。

 

これはもはや

ガリレオの地動説か

コロンブスの新大陸到達か

と比較できるくらいの

価値観の大転換.....

というのはいくらなんでも大げさかもしれませんが

それに近い大変革なのです。

 

 

「Manga Nouveauté」

つまり

「新作コミック」

という棚です。

 

しかもしかも

「マンガ」と

日本語でも書いてある。

 

 

全部「右開き」だ。。

 

 

これは

「今週の売れ筋」

という例の棚です。

 

あるんですよ

こういうのが

こっちにも。

 

 

堂々の第1位は.....

『スパイ・ファミリー』

エンドー・タツヤ作。

 

って

知らないけど(苦笑

 

 

続いて第2位は

ホリコシ・コヘイ作

『僕のヒーローアカデミア』

 

 

第3位は

ゴトウゲ・コヨハル作

『鬼滅の刃』

 

これ聞いたことある

確かアニメでこちらにも来てた様な。。

 

 

第4位は

モリ・コウジ作「ベルセルク」

だそうで。

 

 

第5位が

永遠の古典の名作(?)

トリヤマ・アキラとトヨタロウの「ドラゴンボール」

 

 

右開きでしょ!?

 

西へ西へと進めば

そこにはジパングという国があって.....

 

売り場はジャンルごとに並んでいて

「新着」以外は

「青年マンガ」「少女マンガ」「少年マンガ」

でした。

 

 

それぞれ

縦に8段あるうちの

2段目だけ表紙が見える様に並べてあった。

 

 

 

 

 

最後の写真の最上段は

「farly Tail」という

「日本昔話」みたいなシリーズで

マシマ・ヒロという人の作品で

世界中で累積7500万冊売れた

大ヒットなのだそうです。

 

知らなかった。。

 

 

大ヒットといえば

泣く子も黙る(?)『ナルト』も

忘れてはなりませぬ。

 

個人的には読んだことないけど。。

 

 

そして「ワンピース」も

タワー売り。

 

ドラボとナルトとワンピは

三大ミリオンセラー。

 

これら

初期は左開きだったはずなんだけどなあ。。

 

今は昔のお話です。

 

とはいえ

狭い一角に。。

 

 

左開きのマンガがあった!

 

なんか

日本製のけばけばしい喧騒を感じない

不思議な画風。

 

表紙の隅に「K BOOK」とあったので

韓国製らしいです。

 

それでも

地球は回っている。

 

今日のトリプル・セブン

 

涼しくなりました!

 

午後は小雨が降り

夕方一時期土砂降りもあって

たっぷり轟く雷鳴も聞けた

涼しいパリになりました。

 

イキカエルゼ。

 

8月14日の日曜日

周辺を歩く人はほぼいないヴァカンスの最盛期ですが

さすがにトロカデロは

雨模様にもっ変わらずよそからの観光客が大勢。

 

その中に「トリプル・セヴン」みっけ。

 

 

ちょっとブレた写真は御免被ります。

 

しかし

いいねえ三兄弟全員

7番。

 

そりゃあフットボールファンなら

パリに来た以上は

「パリ・サンジェルマン」の若き天才

『ェンバッペ』

のユニフォームを買わない手はないってもんだ。

 

兄弟全員それを着て

エッフェル塔の前で

ふんぞり返って写真に収まりたくもなろうってもんだ。

 

 

お姉ちゃん

ぼく

妹ちゃん

大中小が揃い踏み。

 

お母さんも入って

お父さんは撮影係。

 

 

まっさらの7番のユニフォームで

後ろ姿でも

嬉しそうだよねえ。

 

 

 

しかし

これだけ見事に7番が揃うと

目の保養になります。

 

「ラッキー7」x 3だもんね。

 

よく知らないけれど

カジノのスロット・マシンも

パチンコの台も

「7」が三つ並ぶと

大当たりなんでしょ?

 

 

楽しそうに観光する家族の

珍しくも幸せそうな「トリプル・セヴン」が見られて

小雨の中を散歩に出た甲斐があったってもんです。

 

眼福ですなあ〜〜〜

いきかえるぜ。

 

 

今日の満開と黄葉と

 

昨今のパリは

サルスベリが満開です。

 

少し歩くと

あちこちに数本のサルスベリが植えられており

赤い花を誇らしげに咲かせているのに出会います。

 

 

開花期が

七月半ばから

十月半ばまで。

 

三ヶ月間も赤い花をつけてくれるので

『百日紅』

という字をあてるのだそうです。

 

 

ここ数日

暑さが少しずつ減って

今日は32度。

 

昨日は34度

一昨日はもっと暑かった。。

 

 

暑いには暑いのですが

木陰は

ありがたいことに涼しい風が吹き抜けて行きます。

 

暴力的なほど圧倒的な光の下で

そこかしこに

秋の到来も感じさせてくれる

昨今です。

 

八月十三日。

 

日本では夏の真っ盛りでしょうが

欧州は

この時期すでに

着々と秋の訪れが感じられ始め

居残ろうと粘る強烈な太陽の支配と

勢力争いにしのぎを削る日々になるのです。

 

 

広い大通りなのに

左右それぞれ

駐車帯一車線と走行レーン一車線という

ものすごい贅沢な最近はやりのパリは

車を占めだそうと

虎視眈々と社会の変質を狙っていますが

中央の広大な遊歩道は

たっぷりとした木陰が作られて

夏の暴力から住民を守ろうとしてくれています。

 

その木立が

すでに黄葉。。

 

葉っぱも落ち始めて

完全な日陰ではなくなり始めて

木漏れ日がまばらに足元を照らします。

 

 

そして

ヴァカンスでパリジャンたちが不在の中で

ベンチには誰も座っていません。

 

でもお未だにしっかり存在する木陰は

逆に無駄に木陰を作って

都会とは思えない静けさで

あたりを支配しています。

 

 

左右の車線も

車の往来はほとんどなく

静かな静かな

パリの街を

一人歩いている自分。

 

 

♪パリは もう秋 誰もいない街....♫

 

昭和歌謡のメロディーが頭に浮かび

即興で

現状を替え歌にして謳ってみたのでした。

 

♪知らん顔して 行き過ぎる人もいず

私は忘れない 街に約束したから

辛くても 辛くても

しにはしないと〜〜♫

 

これを歌った二人組の名前は

フランス語だった。

 

前を向いて

明日を見つめよう。。

 

 

今日の残骸

 

不思議なものが落ちていた。

 

というか

捨ててあった

が正しいのだろうけれど。

 

一瞬ヴァイオリンかと思って

でもそれにしてはやや大きいから

ヴィオラかなと思って

改めて

形が違うことに気づいたのです。

 

「f字孔」じゃなくて

サウンドホールだし。

 

 

一体

何があった!?

 

と言いたくなる様な不思議な光景です。

 

 

どう見ても内側なので

表側を見ようと思って軽く蹴っ飛ばしてみたけれど

感触がすごく軽く

とても薄っぺらい様でした。

 

 

軽すぎて

大気圧に負けるのか

蹴飛ばしても裏返らない。

 

苦戦苦闘(笑)の結果

やっと引っ繰り返せたら

ギターだった。

 

だから

ホールでわかってたんだけど。

 

そんなわけで

ギターであることは

ほぼ分かってはいたものの

なんか小さいんです。

 

レキント・ギターかなあ。。

 

 

周囲に散乱する

部材もペラペラで

ギターってこんなに「薄造り」なだったのか

なぜか感動してしまったのですが。

 

 

しっかりと

「Made in Spain」

の文字を印刷したラベルが

裏側の内側に

残っております。

 

ギターといえばスペイン

だよねえ

やっぱり。

 

それにしても

一体何が起こったのだろう。

 

普通

ここまでたたき壊したり

しないですよね

ギターを。

 

ましてや

「壊れた」わけではないでしょうよ

この状態だもの。

 

考えた挙句

(こんなことで悩む私って暇人もいいところw)

うっかりヒビでも入れてしまったとか

なんらかの理由で捨てることになって

誰かに持ち去られるのが嫌だから

バラバラにした

というあたりが真相なのではあるまいか。

 

まさか

この場所で

この楽器で誰かを殴り倒したわけでもあるまい。

 

でも

ネックがないのは

なぜなんだろう。

 

それに

やっぱり小さく感じるが

ヴァイオリンみたいに

ギターにも3/4などあるんだろうか?

 

これで

また

悩むことになるw

 

残骸は黙したまま

何も語ってくれない。。。

 

 

今日のから騒ぎ

 

たはは。。。

 

トロカデロの庭園に

狂気が出現していた。

 

というか

かなり前からあるのは

遠目に見て知ってはいたものの

これまで

近づいて確認する勇気がありませんでした。

 

庭園の斜面を利用して

半地下と地下にある「水族館」の入り口前に

日本のB級グルメ風「お食事処」が

出来上がっておりました。

 

 

囲ってあって

入口は三箇所あったのですが。

 

東京都

神奈川県

茨城県

京都府

大阪府

などの都府県旗がぶら下がっておるではないか。

 

暑のヴァカンス期は

なんでもありの狂気の空間が好まれる

らしい

のは海や山でのあれこれ

のみならず。。。

 

非日常性が必要なのでしょうねえ。

 

 

突っ込みどころ満載の

お品書き?

 

「天ぷら」

「ご飯」

と来て

「中華鍋」「点心」ってなんや!?

 

「サテ」はタイ料理のソースだし

「ポーク」ってw

 

ちなみに「花見」というのが屋号らしいです。

 

 

この門をくぐる勇気はない。

 

 

このゲートを通る勇気もない。

 

 

敷地内は

それでもというべきか

やっぱりというべきか

結構な人出で賑わっている様子でした。

 

彼らは

いったい何を食べるんだろう?

 

まあ

ヴァカンスのならではの

異次元体験

異空間体験

異文化体験

を提供してくれている以上

喜ばしい事やも

しれませぬなあ。

 

それにしても

日照りがすごい昨今であります。

 

スペインか

ポルトガルか

イタリアに行きたしと思えども

スペインも

ポルトガルも

イタリアもあまりに遠し。

 

せめては涼しきシャツを着て

気ままなる散歩にいでてみん。

 

八月の午後の陽炎の

揺れいづる街かどを撮す

心まかせに。。。。

 

 

 

今日の睡蓮

 

パリの街中で

睡蓮を見かけました。

 

あの

クロード・モネも知らなかったでありましょう

セーヌ河の水面に。

 

黄色い花が咲いていました。

 

 

しょっちゅう話題にしている

人工の中州『白鳥の小径』は

セーヌを背にして

メトロが上を通る二階建ての『ビィル・アケム橋』から

中ほどに郊外線が渡る鉄道橋が横切って

下流が『グルネル橋』までの

1km超の中州です。

 

この写真は下流の先端と「グルネル橋」を

みたところ。

 

中州の下流の先端は「自由の女神」です。

 

 

橋の方が水面から高いので

「ビィル・アケム橋」から中州に下ります。

 

 

小径の両側には

世界中の樹木が植えてあり

名称と生息地や特徴などを記したプレートが

各所に立っています。

 

 

「グルネル橋」に近づくとまた高くなり

橋の向こう側にある

中州の先端に立つ「自由の女神」が

背中を見せています。

 

 

途中から流れを見下ろすと

水面に水草が密生して浮いていました。

 

実は

暑さが募る時期になると

流れが緩く水が澱む岸辺に近い淀みには

水生植物が繁殖するのです。

 

 

藻の様なものから

背丈が1mほどもありそうな

細長い草のようなものまで

色々な水生植物が

水面下で

流れに身を任せて揺れていました。

 

 

そして

水面に浮く様に密集しているのは

なんと「睡蓮」じゃありませんか!

 

正確には『セイヨウコウホネ」という名前の

スイレン科コウホネ属の植物で

黄色い花がつくのだそうですが

まさしく

何輪も咲きかかっていました。

 

 

いままで気がつかなかった。

 

というか

水面

岸辺近くの水草など

注意して見ることなど無かったのですが

パリで睡蓮

が見られるなどと

考えたこともありませんでした。

 

 

ちなみにググってみると

食用だそうです。

 

地下茎(まさに蓮根ですね)

茎や葉と

それに果実も

ヒトは食ってきたらしい。

 

アルカロイドが含まれるそうなので

要注意。

 

見かけても

勝手に食べないことをお勧めいたします。

 

今日も

また一つ

新しいことを学ぶことができました。

 

だから散歩はやめられないw

 

 

今日のオリエント・イン・パリ

 

パリには珍しく

底抜けに白くて明るい

ガラス張りのお店がありました。

 

間口はそれほど広くはないものの

奥に細長い模様。

 

店内のテーブルと椅子とは

過剰装飾で金ぴか。

 

これはアラブの店か?

 

 

ここまで大仰な趣味の調度は

ベネチアなどのイタリアのある階層向けか

アラブの趣味なのですよ。

 

でも

天井から下がる照明などは

全然アラブっぽくないし。

 

 

外から見えるところに展示されている菓子は

やはりアラブ風。

 

 

別のテーブルセッティング見本は

片方のお皿の

砕いたピスタッチオを振りかけたお菓子は

アラブ風ですが

もう一方はとってもカラフルで

こんな色彩のお菓子は

アラブの店では見たことない。。

 

なんだか

日本の駄菓子の

輪切りにした飴みたいにも見える懐かしさを感じます。

 

 

メニューが出ていて

やっと分かりましたよ。

 

トルコの「サロン・ド・テ(お菓子を伴う喫茶店)」

でした。

 

 

「トルコのスペシャリティー」

と書いて軽食もありました。

 

「スジュク」(発酵させて乾燥ソーセージ)を使った

オムレツを食べてみたい。

 

実は

フランスには全国津々浦々にケバブ屋さんがあって

トルコの食べ物屋さんの代名詞になっています。

 

こ汚くてむさ苦しい小さな店で

安いファストフードのイメージが付き纏うのですが

もちろんケバブとは違うけれど

真っ白でガラス張りで明るくて金ぴか

なんてトルコの食べ物屋さんは

パリならどこかにあるかもしれない

一部の高級レストラン以外にはお目にかかれない。

 

トルコは

ヨーロッパの中のオリエント

あるいは

オリエントの中ではヨーロッパ

というのが

実感できる雰囲気です。

 

ブランチや

アフタヌーン・ティーをするのに

うってつけかもしれないと

思いながら

写真を撮りました。

 

いつか来よう。

 

 

今日の群像

 

今日のエトワール広場は

週明けの月曜日とはいえすごい人出でした。

 

へえ〜〜

と見ていると

横から大人数の団体様が

ぞろぞろと出てきて

凱旋門の真下に行く地下道の入り口に

向かって行きました。

 

 

シャンゼリゼの

5車線ずつの車道の

上りと下りを分ける「中央分離線」が

1mほどの幅があるのですが

そこには

通りの一番先端の

車道(ロータリーですから車道と呼ぶのか?)まで

最前列で写真を撮りたい人が

数十人も

一列に並んで待っておりました。

 

もう一度言いますが

大通りの車道の真ん中です。

 

 

広場の歩道(とも呼び難い)部分の最前列には

写真を撮る人々が

それぞれグループで

集まっております。

 

 

レンズに向かって正対せず

斜め横向きでポーズを決めるのは

ヨーロッパ人の女性らしい。

 

手でハートを作ったり

中腰になって

右手の手のひらを上にして

捧げるような紹介ポーズをとったり

ましてや

ピースをする人は

日本人以外にはあまりいませんね。

 

 

そのうち

歩道部分から出て

車道部分へと進出を始めてしまいます。

 

 

そしてなんと

そのまま車の走るスペースを

横切って

凱旋門に向かい始める人々が続出。

 

50mは優にあるんです

休暇中で交通量が少ないとはいうものの。

 

フランス人は平気で歩行者信号を無視して

車道を渡ったりしますが

ここはやらない(苦笑

 

外国人観光客恐るべし!

 

 

一組が始めると

我も我もとばかりにワラワラとw

 

 

運転する方も

こんな歩行者は無視して

平気で突っ込んできます。

 

あぶねえあぶねえ。

 

でも

背中を見る限り

少しも焦ってるようには見えません。

 

みなさん

悠々と堂々と

御渡りになられてるw

 

 

中には

疲れたか

ベンチに仲良く家族全員でお座り組も。

 

 

たまたま

ベンチが凱旋門の前にあった

というだけで

凱旋門はどうでもいい二人も。

 

 

凱旋門の屋上には

人が鈴なりです。

 

パリの観光業はコロナ以前に完全に戻った

と聞いてはいるものの

その実態を実感させられた

エトワール広場でした。

 

 

今日の救援隊

 

シャンゼリゼを歩いていたら

遠くに何やら

ギラギラライトを点滅させてる

巨大なものが見えて

ちょっと「戦隊モノ」みたいな面白げな感じに

見えたので

近づいてみました。

 

 

そうしたら

普段お目にかかれないほど大型の牽引車

だったのです。

 

頭の位置に10個ほどの黄色いライトと

鼻面の位置に2個の白いライトを

忙しげに点滅さている様が

凄みを与えていたんですが

撮してみると

シャッターの瞬間光ってるランプしか当然映らないので

何か平凡に見える(笑

 

ただ

後ろに牽引されているのが

超大型バスだった。

 

普通につないで引っ張るのではなく

デカバスなのに

しっかり前輪を浮かせて牽引する本格派。

 

打ち合わせが済んだらしく

二人のおじさんがバスから牽引車に近づいてきた。

 

牽引車の運転手さんが乗り込もうとしていて

補助席側の扉から覗いているのが

バスの運転手さんの様です。

 

 

後部から見ると

バスの巨大さがよくわかる。

 

ドイツ・ナンバーです。

 

これは14mタイプに違いない。

 

昔の「大型観光バス」は

12mだったのですが

何しろドイツ人は満員のバスで欧州大陸を席巻する

バス旅人なので

そのうち13mができ

今や14m。

 

彼らは

そろそろ15mなんてのを作るんじゃなかろうか。。

 

こんな「長いバス」は

道幅の狭い旧市街も多いフランスは

通れない曲がれない可能性が有るので

最初は通行を拒否していたらしいのですが

何しろ「EU」で

あれこれ共通にしなければならず

入国を認めた様です。

 

 

通りの反対側から見てみると

牽引車もでかいし

バスも長いのがよくわかります。

 

そしてついに

そろりそろりと

動き出しました。

 

この角度でやっとわかったことは。。

 

 

左前輪がない!

 

普通は予備のホイールは持ってるはずなので

単にパンクとかではなく

どこかにぶつけるか

曲がり損なって

固いものとこすってねじり取れたかの衝撃で

ハンドルの装置が歪んだんだとおもます。

 

二階の窓にバッグが見えたので

お客はきっと

大きな荷物は残したまま

何らかの手段ですでに移動したのだろう。

 

明日までに修理できれば良いんですが

そうでなければ

同じコンディションの代替えバスを

ドイツから回送しなきゃならないだろうし

添乗員さんだかガイドさんだか

ツアーの責任者としては

胃が痛む状況ですね

きっと。

 

 

今日の禁断の香り

 

パリの真ん中あたりに

『マレ地区』と呼ばれる一角がります。

 

楕円形の輪郭のパリの街に

南東の角から入ってきたセーヌ河が北西に上り

街の真ん中あたりで角度を変えて

南西の角まで流れて

パリを出て行く。

 

その山形の頂上あたりは

水流が向きを変えるために氾濫しやすく

常にジメジメしていたらしく

古代ローマ以来ずっと住宅地として利用されてこず

湿地帯(le malais ル・マレ)と呼ばれてきました。

 

16世紀から王命により

貴族たちに宅地造成をさせ始めて以後は

貴族の住宅地となり

比較的狭い通りに

16・17・18世紀の館が数多く残り

美術館や博物館や文化施設などに利用されていて

パリの名高い観光地となっています。

 

特徴として。。

 

 

貴族の館があり..

 

 

クリエーター・ブランドの瀟洒な商店が数多く点在し..

 

 

現代美術のアート・ギャラリーもあちこちに..

 


個性的なレストランは数知れず。

 

そしてシナゴーグ(ユダヤ教礼拝堂)があるため

ユダヤ人の集まる一角があって

なおかつ

ゲイが集まる町内とがあります。

 

 

交差点の横断歩道は

LGBTカラーのレインボーです。

 

そんなマレ地区に

とても個性的なお店を見つけました。

 

 

狭い間口の地味な正面に

店の正体を現す写真が大きく飾られています。

 

 

そう

革細工のアトリエ兼商店なのです。

 

ちらりと中を覗くと

何やらおどろおどろしい展示物が。。

 

 

確かに「革」製の衣類と

何やらごちゃごちゃ。。

 

私はすぐに何を商っているのか気づいたのですが

店主が戸口まで出てきました。

 

 

写真を撮って良いか聞いてみたところ

一瞬躊躇して

「僕をはっきり移さなければ...」と言ってくれた

メガネの優しそうなおじさま。

 

 

店に入ってすぐの壁に

いきなりこれ。

 

良い子の皆様には

何が何だかわからないと思いますが。

 

 

革製の衣装の間に並んでいるのは

手枷足枷口枷首輪拘束具。。

 

 

 

 

 

あえて

具体的なことは

ここでは申し上げません。

 

ご主人に聞いてみたところ

全部ご本人の手作りだそうです。

 

日本では

親密な男女のためのグッズのお店は

都会には結構有るらしいですが

男性同士のためのグッズとなると

なかなか

正面切ってお店を出してることは

有るかないか

微妙なところでは無いかと想像する次第であります。

 

これらは全部

しっかりと市民権を得ているわけで

非合法な物でも

不道徳な物でも無いと言う事だけ

はっきりと

付け加えておきます。

 

 

今日の路上の平和祈願

 

明日8月6日は広島原爆忌。

 

このブログがアップされる頃は

日本時間ではすでに当日になっている筈の日に

正しく相応しい主題の

ストリート・アートで埋め尽くされている壁面を

昨日歩いていて見つけました。

 

タイムリーな主題なので

幾つかの作品をランダムに上げて行こうと思います。

 

この花冠の少女は

ウクライナ国旗の色の

平和も意味する愛のシンボル「ハート」型の

涙を一滴流してる。。

 

 

『ル・プティ・プランス 星の王子様』を

ウクライナ国旗色で半分ずつに分けて

「I have a dream 私には夢がる」(マルコムX)

「Stop War」

とあって

ブルーの部分には

ガスマスクを着けたままの兵士が二人

口づけをしている。。

 

 

ウクライナ国旗の上を

アメリカのシンボル「白頭鷲」が

「フラジャイル(割れ物注意)」と書かれた

ハートの入ったプレゼントを運んでいて

隅に「The End」と。

 

プレゼントは

米国製の兵器のことか

米国が数々の国際紛争を引き起こしてきた

「裏工作」のことか。。

 

 

ピースマークのピアスの女性に襲いかかる

黒鷲と

血を流すかのような赤い花。。

 

 

戦う鷲とガスマスクの兵士。

 

 

 

 

 

平和の象徴である白い山鳩が

兵器を運ぶ。。

 

 

引き裂かれた家族。。

 


ハートマークを作りながら

降下する兵士。

 

 

 

 

 

 

反戦平和を訴えるテーマで

やはり時節柄

素材は「ウクライナ」になってしまうのは

やむをえない。

 

 

 

しかし

私の目を一番最初に惹きつけたのは。。

 

 

この作品だった。

 

「Contre Toutes les Guerres あらゆる戦争に反対する」

というコピーの入った

切手型のこの作品の中央は

『旭日旗』。。。

 

やはり

視覚的に最も単純に戦争を表すのは

鉤十字と旭日旗なのだろう

洋の東西を問わず。。。

 

鉤十字を書くと右翼に消される恐れがあるから

旭日旗。。

 

そして

希少な事に

ウクライナカラーを使っていない作品が

もう一つ。

 

 

オリーブの小枝ならぬ

社会主義リベラルの象徴の『赤いバラ』を加えている

白い山鳩に

顔を埋める男性。。

 

安寧と平和の至福の時を表しているのだろう

 

それほど広くない壁面に

これほどの作品で埋め尽くされている光景は

驚くべきことだった。

 

ストリートアートは

完成度の高い

奥深い現代芸術なのだと

改めて痛感させられたのでした。

 

『安らかにお眠りください

間違いは二度と繰りかえ「させません」から』

 

 

今日のプランタンは遊び心満載

 

デパート『オー・プランタン』のメンズ館が

ゲーセンになってた!?

 

地上階は

バッグとアクセのフロアーで

各ブランドごとの売り場が

メンズバッグ

ウエストポーチ

バックパック

など

絢爛豪華に並んでいるのですが

フロアー全体に壁やパーティションがなく

ほぼ全体が見張らせて

ある一角に目が止まってしまいました。

 

ゲーム機が並んでる?

 

 

今や古典となったインヴェーダーゲームの

進化版で

懐かしい「クラゲ」を

少年が迷路の中でぴょこぴょこ

追い回しています。

 

 

口だけついた丸い頭が

次々と

クラゲを追い回して食べて行くので

「パックマン」

という名前らしい。

 

ただ

その横にある

何やら大型の黄色いチェアーが。。

 

 

これ

先端ITヴァーチャル・リアリティを使った

ゲーム・モールを

米国シンシナティーを始め

アブ・ダビ

ドゥバイ

などで展開している『Transformer VR』社の

バーレーン「RobocopVR」から持ってきた

体感ゲームチェアーなんだそうです。

 

ワントライ12ユーロ

と書いてあるけれど

その時は誰も遊んでいなかった(笑

 

 

カジュアル・ウエアーのフロアーで

キャンピング・ウエアーのあるブランドの

試着室に

なんと60年代のジュラルミン製のキャンピングカーを

改造して使ってた。

 

 

これは

そそられますよねえ

キャンピングに。。

 

 

靴のフロアーに行ってみると。

 

最近は

とにかく

「ごて」が幅を利かせていて

まるで

トヨタの車みたいに

あっちこっちイミフに

飛び出したり

角ばったり

してるw

 

このスニーカー

なんと

アイスホケーのキーパーのヘルメットの

フェイスガード部分みたいなアルミ製のアームが

かかと部分についてます。

 

ひっくり返して来たら

ソールにも

アルミの骨組みが光ってましたw

 

 

そして

とにかく「でかい」靴が多い。

 

馬鹿の大足を「地」で行くような

とくにソールの馬鹿でかい靴が幅を利かせてます。

 

 

それに

なんだこれは!

 

 

靴ひもを結ぶのに

何時間かかるんだ一体?

 

このメンズ館は

6階と7階が

食品とイートインなんですが。

 

ヴィネガーの棚

ワインのコーナー

ここにもゲーセンが進出中。

 

 

 

 

食品フロアーに

こんなん要る?

 

チョコレートの棚

有名ブランドより

珍しいキッチュで遊び心たっぷりなパッケージの

知らなかった店のチョコレート。

 

ポップ・コーン

 

イタリアの某オリーブオイルは

一番摘み

二番・三番摘み

のものに

コラボしたデザインのパスタを添えて。

 

まあ

全館遊び心満載のプランタンです。

 

 

プランタンは

ギャルリー・ラファイエットと違って

ウジャウジャ人がいないので

気分がいい。

 

暑くて歩き廻れない日の散歩は

冷房の効いた

プランタンの全館を探検するに限ります。

 

 

今日の教訓

 

パリを日々あちこち歩き回っていますと

ストリート・アートに感動しない日は無い

と言っても

過言ではありません。

 

もちろん

めちゃくちゃな落書きも多数溢れているのですが

それと同じくらい

芸術性や

精神性に溢れたアートに出会うことがあって

しばし思いに耽ってしまうことが頻繁にあるのです。

 

これ

ある路地裏の古びた建物の裏壁に

小さく書き込んであった

『アリとキリギリス』

です。

 

蟻もキリギリスも

こぶし大ほどもない位に小さく描かれていて

うっかりすると見過ごしてしまうような作品なのですが

その

構図といい

輪郭といい

描写といい

見事な表現力です。

 

しかも!

 

よく見ると

この「キリギリス」は実は「セミ」ですよね。

 

実は

ギリシア人イソップの寓話集でおなじみの

「アリとキリギリス」のお話は

源は古代ギリシア以前にまで遡るらしく

かの地では

オリジナルは「セミ」なんだそうです。

 

そういえば

元来セミは

生息限界の北限を超えている欧州大陸には

ギリギリ地中海沿岸を除いて

生息しないのです。

 

ですから

普通の多くのフランス人にとって

セミは身近なものではないので

普通は絵に描いたりしない。

 

このアートの作者は

しっかり「原典」をご存知だったようで

教養を感じさせてくれます。

 

 

すぐ近くに

こんなのもありました。

 

『宙に送る』

とタイトルが書かれていて

ストリートアートにタイトルが付与されている

珍しいものです。

 

なんだかとても「思索的」なタイトルで

絵画自体も非常に質が高いし

雨風にさらしておくのがもったいないと

本気で思ってしまいます。

 

単なる「壁の落書き」ではない

「ストリート・アート」は

美術館に収納することを想定していない以上

長期間保存するのが困難な故に

存在が儚い分

余計にかけがえのないものだと思う昨今です。

 

「浮かれてないで働け」

という「即物的」な教訓だけでなく

様々な「哲学的」思考を与えてくれる

パリの裏通り散策です。

 

 

今日の目の錯覚

 

今日も非常に暑くて

空の青さがとっても綺麗だった。

 

じゃなくて

この写真をみてください

目を三角にしてでも

よ〜く見て。

 

歪んで見えますか?

 

 

建物が歪んで見えるのは

目の錯覚

....ではなくて

建物が実際に歪んでいるからです。

 

すごい

清々しくも見事な迄の歪みっぷり。。

 

実はパリには

歪んだ建物はたくさんあります。

 

この写真の建物は

もしかしたら17世紀後半か

多分18世紀の物のようですが

貴族の館のように

厳密に作られたものでない限り

経年と共に

こんな風に重みで歪んでいくのです。

 

 

この左の壁。。

 

これは貴族の館ですが

館本体ではなく塀なので

しかも

薄い作りの塀の様なので

ぐにゃりと歪んでます。

 

歩道に沿った部分は一直線ですが

上端は

しっかり内側に凹んでいます。

 

いやはや。

 

これでも

壊れずに300年くらい

あるいはもっと長い間

立ってるわけです。

 

いやはや。

 

 

こんな壁もありました。

 

上から下に向かうほど

すそ広がりに曲がってるんです。

 

赤いインヴェーダーの方が気になって撮したので

下の部分が見えないのが

今になっては不満ですが。。

 

 

この美しい路地の

素敵な雰囲気ったら。。

 

左に角の建物が

完全に歪んじゃってる。

 

やはり

通りに沿って並んで立ってる建物は

両脇の建物と支え合ってるので

歪みは前面の壁の上下でしか

外側からは分かりませんが

角だと

支える建物が一方だけになるので

歪みが顕在しやすい様で。

 

 

極め付きは

これ。

 

まあみてください

道を挟んで両側とも

よくもまあ

ここまで歪めるものだと感心してしまいます。

 

でもご安心ください

内部は

(おそらく)床が傾いたりはしていない筈。

 

その辺は

年代とともにしっかりと修復しますから。

 

でも

「ドアが閉まりにくくなる」

なんて声を聞くことは

時々あります(笑

 

それもまあ

情緒だと受け止めて

自分が建物の歴史の一部になって暮らしていると

自覚して

旧建築の生活に満足してるんでしょう。

 

パリ市内でも

特定の条件の場所では

鉄筋コンクリートや

アルミとガラスのビルもあります。

 

その手の建物は

少なくとも「歴史とともに生きる」という栄誉は

受けられません。

 

どちらを選ぶか

それが問題だ。。。