今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の想いは革命前夜

 

今日9月17日日曜日

日の出の時間帯に

すでに青空も見える中

朝焼けのオレンジと交互に色分けされながら

エッフェル塔の背後に朝日の光条が放射条に伸びた

まるでエル・グレコの絵の逆ヴァージョンのごとき

厳かな美しい光の造形を

思いがけなく

拝む事ができました。

 

 

ほんの少し位置を変えただけで

色合いに変化が見られ

眼福の至り。

 

 

共和国のシンボルである

「マリアンヌ」の騎馬像とのツーショットも

この上なく素敵に映えていました。

 

共和国成立といえば

革命による王制打破。

 

そして昨日「国立公文書館」で

「革命以後のルイ15世とマリー=アントワネット展」

を見に行って

革命の勃発のきっかけともなった

「テニスコートの誓い」

の議事録を見たばかりだったことを思い出しました。

 

 

1789年6月20日の

ヴェルサイユの街の競技場

「Jeu de Paume ジュ・ド・ポーム」で

王制の改革を誓った宣言を公式文書に起こした

「議事録」には

このような賛同者の署名が

8ページにわたって残されているそうです。

 

それなら

そのジュ・ド・ポームに行ってみようではありませんか。

 

 

ということで

ごく最近修復工事が終わって

条件付きでの一般公開が始まったと聞いていた

「競技場」を見るため

ヴェルサイユまで足を伸ばしてきました。

 

というのも

昨日と今日は

毎年恒例の「文化財無料オープン・デイ」なのです。

 

細く静かな通りに面して

修復なって

真新しい建物があります。

 

 

「ジュ・ド・ポーム」というのは

今日のスカッシュのような競技の名前で

その競技場をも意味します。

 

前後の壁面に

ボールをラケットで打ち付け

跳ね返ってくる球を

相手がまたどちらかの壁に打ち付ける。

 

日本の教科書に「テニスコートの誓い」とあったので

室内競技だとは思わない人もいる様です。

 

三方向に回廊があって

コートは30m x10mほど。

 

 

片方の壁には宣言文の冒頭の一部が示され。。

 

 

他方の壁には

ナポレオンの戴冠式の絵で名高い

「ジャック=ルイ・ダヴィッド」の

誓いの場面の素描が

壁面を飾っています。

 

 

壁に沿って

賛同者の中の主だった貴族や文化人たちの胸像が並び

主唱者の一人で

数学者で天文学者

さらに「フランス・アカデミー会員」だった

「ジャン=シルヴァン・バイイ」の立像が

凛々しく屹立していました。

 

 

床は

ボールが弾みやすく

不規則バウンドしない平らな平面を作るために

粘板岩「アルドワーズ」が敷かれています。

 

ビリヤードの台や瓦に使う

薄く均等な厚さで剥離する堆積岩で

硯にする石と同種です。

 

 

壁の前の回廊からコートの出る感じは

なんだか

スケートリンクみたいですね。

 

文化財無料開放デイなだけあって

すごい人出でした。

 

大統領府「エリゼー宮」や

首相府「マティニヨン宮」など

普段内部を見ることができない文化財が人気ですが

早朝から大行列になるので

人が普段行かないような

コアな文化財を狙うのも

良い手です。