今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の日曜日は朝市日より

 

欧州はどこの街にも

公設市場という

昔からの市場の建物が残っています。

 

はるか中世において

「市を立てる」ことは領主様の専権事項であり

必ず市場用の建物が造られていたのです。

 

中世から近世にかけては

太い丸太の柱で巨大な木製屋根を支える

壁のない建物で

現存していれば概ね文化財に指定されています。

 

近代以後は恒久的な石やレンガ造りになり

19世紀半ばからは鉄骨になった。

 

体育館みたいな大空間で

旅先で市場を訪れると

ローカルな生活感と

その土地の文化とを

感じ取ることができます。

 

 

ここ

パリ郊外のヴェルサイユの市場は

ひときわ特別です。

 

17世紀半ば以降

政治経済軍事文化とすべての面で

フランスが欧州に頂点の地位を築いた

ルイ14世以来の王都の市場なのですから。

 

かなり広い

(おそらく150mx100mほど)長方形の広場に

東西は道路が伸びて

南北は僅かな通り道を開けて

L字型の建物4棟が取り囲みます。

 

現在広場の地下は駐車場で

出入り口の階段横のエレベーター建屋に

ルイ14世当時の

宮廷衣装の騎馬像の絵が描かれていたりする。

 

 

内部は

あらゆる種類の食品店が左右に並びます。

 

 

パスタの専門店は

もちろん全部生パスタ。

 

 

何軒もある魚屋さんのうち

この店はなぜか照明がクラブ風w

 

 

それより

日曜日を含む週3日は

建物の外の

広場にもテント張りで朝市が出るのです。

 

ちなみに

建物の中のお店は

昼休みの後に午後も開いてますが

外のテントは朝市で

13時過ぎで終わります。

 

この写真の青果店のように

長方形の周囲に商品台を作ってテントで覆います。

 

 

青物専門店。

 

 

チーズの専門店。

 

 

そして

卵の専門店なんてのも。

 

 

鳥インフルエンザの流行と

ウクライナ産の飼料が入らないことのWパンチで

卵は世界中で不足している今

こんなお店は貴重ですね。

 

 

そして

今日ご紹介したかったのは

建物の中のこのお店。

 

ハムソーセージの専門店ですが

看板が

イノシシの頭部の剥製で

マスクをしてる!!

 

 

欧州ではドライソーセージが好まれ

日本で「サラミ」と呼ぶような干し固めたソーセージが

多種多様に売られていますが

ジビエのドライソーセージは

特に人気なのです。

 

コルシカ島は

地中海に突き出た高山で平地が乏しく

牧畜はほぼ山中に放牧ですが

豚と

豚と交配したイノブタと

イノブタの野生化したものと

イノシシと

「豚肉関係」だけで4種類ものドライソーセージを

山越えする途中の峠で

売ってたりします。

 

コルシカ島や

アルプスやピレネーなど山岳地に行くと

鹿や熊や

役目を終えたロバのソーセージなんてのもあって

興味深いです。

 

ルイ14世の時代は

ヴェルサイユの宮廷の夕食の手つかずに残った物を

翌日ここの市場で売り出し

街に住む貴族たちは

それぞれ人数分買って

温めて自分たちの館で夕食に食べていたそうです。