今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の移り行く時

 

パリ市内の東の方に

『バスチーユ広場』

という場所があります。

 

あの

革命のきっかけとなった

牢獄に使われていた「バスチーユ砦」があった場所です。

 

その広場の

この写真を撮っている位置の背中から東に伸びる通りが

「フォブール・サン・タントワーヌ通り」で

かねてより

パリの「家具街」として知られた界隈でした。

 

 

通りに入って振り返ると

フランス革命発祥の地に建てられた

二度目の革命「7月革命」の記念碑の塔の

先端部が見えます。

 

20年ほど前までは

この通りに両側には

家具屋さんの店が軒を連ねていたのです。

 

しかも

フランス人好みの

伝統的宮廷家具から発生した

「ルイ13世様式」

「ルイ14世様式」

「ルイ15世様式」

「ルイ16世様式」

ナポレオン執政時代の「執政様式」

ナポレオンが皇帝になってからの「帝政様式」

その後の

7月革命で生まれた「ルイ・フィリップ王様式」

そしてナポレオンの甥がおこした

「第二帝政様式」

等の専門店が

数少ないモダンな家具の店を圧倒して

連なってていました。

 

それが今やほぼ消滅

 

 

そして

両側の建物の一部に

入り口を入ると奥が路地や広場になっていて

手作り家具のアトリエが犇めいていたのです。

 

 

それも今やほぼ壊滅。

 

静かだけど

でも何もない路地になってるか。。

 

 

情緒たっぷりに

リニューアルされてしまって。。

 

 

 

工場の並んでいた活気など全く感じさせない

素敵な路地に変身してたり。

 

 

いや

一軒だけ残ってた。

 

 

ルイ15世様式の

椅子と肘掛け椅子の

フレームがたくさん積み重ねてある。

 

昔はそこいらじゅう全部がこんなだったのに。

 

 

そんな中で

唯一。。

 

 

往時を偲ぶことができる路地が

残っていた。

 

 

FABLIQUE は工場(こうば)

MEUBLES は家具

SIEGES は椅子

TOUS STYLES は全様式。

 

 

ショールーム入り口の看板。

 

 

 

私はこのアトリエのショールームの

誰も居ない2階を見るのが大好きでした。

 

 

この路地の奥は結構広くて

大掛かりな工場だった。

 

 

今は

何やらオフィスとあとは住宅。

 

 

 

 

毎年春になると

全国の主要都市で産業博覧会という催しがあって

見本地会場の建物ごとに各業界の出展ブースが並び

結構な娯楽になっています。

 

家具の棟では

広大なスペースに500件ほどの

メーカーと販売店もブースが出て

沢山の家具が並んでいたものです。

 

6割が伝統様式

2割がモダン家具

2割がエキゾチック家具

だったのが

近年モダンな家具だけになってしまい

しかも最近は

家具のスペース自体が大幅に縮小されてしまいました。

 

要するに

時代と共に生活様式が変わり

それと同時に購買力も低下し

さらに工芸家具を作れる職人さんも減ってしまい

IKEAみたいなのが席巻してしまったのです。

 

フランスも

時の移ろいには抵抗できないようです。