今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の巴里の雛罌粟

 

ふと気がついたら

ヒナゲシが咲いていました。

 

5月16日火曜日は

数日ぶりに

明るい陽光の降り注ぐ

晩春というか

初夏というか

とっても快適な空模様でした。

 

ある小さなグランドの横を歩いていたのです。

 

一周150mほどの

短い距離の楕円形の3コースのトラックと

その内側が

ハンドボールやその他いろいろ運動ができるスペースで

地面はアンツーカー敷き。

 

週日は幼稚園や小学校から

クラス単位で体育の授業に来ていたり

週末には子供達のスポーツクラブが使っていたり。

 

鉄柵で囲ってあって

雑草の生えた土手で囲まれて

グランドはやや低くなってて。

 

その土手に

赤い斑点が見えたのです。

 

 

そうかそうか

もう

そんな時期になってたのか。

 

中央部の

フランス一の大河ロワールの土手の道路を走ると

路肩にびっしりと野生のヒナゲシが咲くのは

6月くらいだったはず。

 

そういえば

昔々日本橋三越がパリに出店を出したのが

オペラ通りの

オペラ広場の角の建物で

与謝野晶子が夫鉄幹と欧州旅行をした際

パリに滞在したホテルがあった場所だったとか。

 

パリ滞在中に晶子が読んだ短歌

「ヒナゲシ」を記した銘板が

外壁に出ていた。

 

『ああ皐月

 仏蘭西の野は火の色す

 君もココリコ(原作は漢字で雛罌粟ですが)

 我もココリコ』

 

そんなことを思っていたら

以前スペインで遭遇した畑の一面のヒナゲシが

とても見事だったことが

蘇って来た。

 

探しました

その時の写真を。

 

 

まずトレドの郊外です。

 

もう一昔以上前のことで

やはり6月だった。

 

 

上の二枚は

ブルゴスの郊外

ヴァリャドリードとの中堅地点あたり。

 

何が衝撃的だったかと言いますと

その色なんです。

 

ヒナゲシは濃いオレンジ色

という認識だったのに

真紅と言っても良いくらいに

赤かったのです。

 

そして。。

 

 

セゴヴィアに入る直前。

 

この町は

マドリードから行く人が多いと思うのですが

この時は

北のアヴィラから下ってきて

セゴヴィアの大聖堂だけが見えてきた

まさにその瞬間でした。

 

 

こうやって写真で振り返ると

色の衝撃が伝わらないのですが

毒々しいとすら言える

血のような真っ赤だったのです。

 

さすが南国。

 

ルイ14世がスペン継承戦争の際に

「ピレネーを超えたらそこはアフリカ」

と言っただけの事はあるな

思った次第。

 

 

そういえば

ナポレオンも

イタリア戦争に遠征した時

ルイ14世の言に習って

「アルプスを超えたらそこはアフリカ

と言ったとか。

 

どちらの国も

夏の強烈な太陽と赤茶けた大地は

アフリカと同じです。

 

「今日もパリの街角で」

山脈を越えたアフリカ側のことを

語ってしまいました。

 

ご容赦を。