今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の巨匠

『ノアの泥酔』 1515年頃

「ジャックマール・アンドレ美術館」で開催中の

『ジョヴァンニ・ベリーニ展』

に行ってきました。

 

16世紀に

イタリア・ルネッサンスの最後の拠点として

巨匠たちを排出したヴェネチアの

初期の巨匠です。

 

1430年頃ヴェネチアで生まれ

父ジャコポのアトリエで修行し

パドヴァ

ヴェネチアで活躍し

1516年に同地で没しました。

 

『聖母子』 ジャコポ・ベリーニ 1435〜1440年頃

1396年生まれの

父ジャコポは

まだゴシック様式で

ヴェネチアでの画家としての名声を確立していました。

 

『聖母子像 別名コンスタンチノープルのマドンナ』ジェンティーレ・ベリーニ 
1462〜63年

1歳年長の兄ジェンティーレの作です。

 

この作品は

父ジャコポとの共同制作で

父の描いた部分と一緒に展示されていました。

 

 

下段の

7人の聖人たちがジャコポの手になります。

 

『受胎告知』兄弟共同制作 1453年頃

『聖母の誕生』兄弟共同制作 1453年頃

上の二点は

ジョヴァンニが兄ジェンティーレと共同で

父ジャコポのアトリエで制作した

テンペラ画です。

 

"聖母子像 別名ヴェローナのマドンナ" ドナテッロ 1450年代

彫刻家ドナテッロに影響を受けた画家が

シエナ派の巨匠アンドレア・マンテーニャです。

 

"聖母子像" アンドレア・マンテーニャ 1455年

そのマンテーニャに

ジョヴァンニは影響を受けます。

 

そしてマンテーニャは

ジャコポの娘ニコラーシアと結婚し

ジョヴァンニの義理の兄となりました。

 

"聖母子像" ジョヴァンニ 1455年

"聖母子像" ジョヴァンニ 1475年 板絵

"聖母子像" ジョヴァンニ 1475年 

"聖母子像" ジョヴァンニ 1475〜80年

以上四点の

ジョヴァンニ・ベリーニの聖母子像で

55年とそれ以後とで彼の表現の変化を

見て取れます。

 

"二人の天使に支えられる死せるキリスト" ジョヴァンニ 1475〜80年

この作品は特に名作として名高く

83cm x 67cm 

程なのに非常に大きな絵画に見えました。

 

"十字架磔刑" ファン・アイク 1425年

"十字架磔刑" ジョヴァンニ 1459年

北方絵画(フランドル)の巨匠『ファン・アイク』

ジョヴァンニの

「磔刑図」を比較です。

 

"聖母子像" ジョヴァンニ 14785年

彼は80年代以降も影響力を各所に及ぼし続け

晩年になっても

全く衰えを見せませんでした。

 

"聖母子と洗礼者ヨハネと聖女" 1500年頃

"聖母子像" ジョヴァンニ 1500年頃

"この男 (Hece homo 慣用句)" マンテーニャ 1500年頃

"聖母子像 別名クークのマドンナ" ジョルジオーネ 1500年頃

これを描いた「ジョルジオーネ」は
ジョヴァンニの弟子です。

 

"父なる神" 1505〜10年

そして

巻頭の写真「泥酔したノア」が

歿年の前年に描いた遺作になりました。