「ジャックマール・アンドレ美術館」で開催中の
『ジョヴァンニ・ベリーニ展』
に行ってきました。
16世紀に
イタリア・ルネッサンスの最後の拠点として
巨匠たちを排出したヴェネチアの
初期の巨匠です。
1430年頃ヴェネチアで生まれ
父ジャコポのアトリエで修行し
パドヴァ
と
ヴェネチアで活躍し
1516年に同地で没しました。
1396年生まれの
父ジャコポは
まだゴシック様式で
ヴェネチアでの画家としての名声を確立していました。
1歳年長の兄ジェンティーレの作です。
この作品は
父ジャコポとの共同制作で
父の描いた部分と一緒に展示されていました。
下段の
7人の聖人たちがジャコポの手になります。
上の二点は
ジョヴァンニが兄ジェンティーレと共同で
父ジャコポのアトリエで制作した
テンペラ画です。
彫刻家ドナテッロに影響を受けた画家が
シエナ派の巨匠アンドレア・マンテーニャです。
そのマンテーニャに
ジョヴァンニは影響を受けます。
そしてマンテーニャは
ジャコポの娘ニコラーシアと結婚し
ジョヴァンニの義理の兄となりました。
以上四点の
ジョヴァンニ・ベリーニの聖母子像で
55年とそれ以後とで彼の表現の変化を
見て取れます。
この作品は特に名作として名高く
83cm x 67cm
程なのに非常に大きな絵画に見えました。
北方絵画(フランドル)の巨匠『ファン・アイク』
と
ジョヴァンニの
「磔刑図」を比較です。
彼は80年代以降も影響力を各所に及ぼし続け
晩年になっても
全く衰えを見せませんでした。
これを描いた「ジョルジオーネ」は
ジョヴァンニの弟子です。
そして
巻頭の写真「泥酔したノア」が
歿年の前年に描いた遺作になりました。