今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の鬼才

 

今日も

パリの空はどんよりと灰色だった。

 

でも

その灰色の空が

決してモノトーンではなく

かすかに色彩があるのです。

 

やはり冬の曇った空とは違います。

 

 

目を凝らして見ると

色の集合体な空

なのです。

 

この写真の金色のドームは

天才で鬼才であった国王ルイ14世が建てた

負傷兵の収容施設「アンヴァリッド」の王室礼拝堂で

皇帝ナポレオン1世の墓所となっている

「サンルイ礼拝堂」です。

 

ナポレオンは

知れば知るほど

天才で鬼才だった。

 

そして

巻頭の写真のエッフェル塔を建てた

『ギュスタヴ・エッフェル』も

天才で鬼才だった。

 

 

とある坂道を下っていて

坂の下の小道との堺の空間に

エッフェル塔が見えた。

 

そして

その左側の建物は集合住宅建築で

20世紀初頭にそれを建てたのは

『オーギュスト・ペレ』という

天才です。

 

何をしたかというと

現代建築を「コンクリート」で建て始めた

創始者なのです。

 

それまで

7つの幻術分野の頂点をに位置する建築の作品は

教会でも一般建築でも劇場でも橋梁でも

石で作られるもの

さもなければレンガで建てるべきところを

コンクリートがそれにとって代われることを

実証した。

 

しかも

石よりずっと安価に短期間で。

 

 

エッフェル塔をみはらせる

「トロカデロ広場」のすぐ近く

ベンジャミン・フランクリンの名を冠した通りにも

ペレの集合住宅があります。

 

建築科の学生たちが

教授に率いられて欧州旅行をすると

必ず立ち寄って写真を撮っていく

教科書に必ず載っている建物です。

 

 

接触期間は1年弱しかなかったとはいえ

あの

天才にして鬼才『ル・コルビュジエ』に多大な影響を与え

師匠と呼ばれることすらあるのが

オーギュスト・ペレなのですから。

 

 

そのペレの代表作の一つに挙げられるのが

『シャンゼリゼ劇場』です。

 

当時オペラとバレーと演劇の殿堂である劇場は

最大級に豪華で堂々とした建物でなければならず

大理石をふんだんに使ったものだったのに

「コンクリート」

などという粗悪品の材料を用いるなど正気ではない

とかなりのスキャンダルになったそうです。

 

それで

外壁は

彫刻家「ブールデル」作の

白大理石のレリーフで飾られました。

 

 

内部は

この写真のように伝統的な「大ホール」に加えて

同じく美しい小ホールを2つ持つ

かなり立派な劇場です。

 

パリ中どこを歩いても

誰かしら

天才や鬼才や偉人達の

生誕した住居や

生活した住居や

永眠地や

作品やらに触れることができます。

 

じっくりと偉人達の後を辿って見るのも

一興ですよ。