今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の平等

 

今日2月最後の日曜日は

底抜けに明るい光に包まれて

寒いながらも

すこぶる気分の良い空模様でした。

 

午後の気温は3度くらいと

ほどほどに寒く

うちを出て1分もすると

鼻が痛くなってしまったのですが

底抜けに明るい空が

気分を盛り立ててくれて

歩き始めました。

 

 

毎回登場するこの場所は

1937年

第5回パリ万国博の中心会場として建てられた

「シャイヨー宮」のテラスで

戦後間もない1948年十二月に

この場所で

「世界人権宣言」が

年と偶然同じ数字の48カ国の調印で

採択されたのでした。

 

フランス革命で高らかに宣言された『人権宣言』の

「人は生まれながらに

 法と権利の元に平等である...」

という出だしとほぼ同じ

「人は生まれながらに法と権利と

 尊厳において平等で...」

と始まる世界人権宣言の採択を記念して

このテラス(Parvis パルヴィ 前提・広場)に

ミッテラン大統領が

『Parvis des Droits de l'homme(人権広場)』

と命名した記念のプレートがあり

それを見晴らすその先に

エッフェル塔がそびえるのです。

 

 

その後75年の時が流れ

人間が皆ひとえに平等であるのか

大いに問われるところですが

今日の様な

明るく輝く透き通った青空は

誰の頭上にも広がり

皆同じように見上げることができる。

 

青い空

白い雲

まばゆい光が

戦争の最中の人たちにも

平和を享受している人たちにも

地震の被害者にも

救助に全力を挙げている人たちにも

老いも若きも

誰の頭上にも同じように存在している。。

 

同じ様に見上げることが出来ても

それを

喜ぶことができる人も

全くそんなことを感じない人もいるであろう

そんな不合理な平等の存在に

最後は

なんだかとっても複雑な思いにとらわれた

二月最後の日曜日の散歩でした。

 

 

何も特別なところなど無い

普通の平凡な一市民ではあっても

この青空は

未来永劫存在し続けるのだろうと

悠久の時の流れの中の極小の一コマながら

思ったりしたのでありました。