今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日のアヴァン・ギャルド

 

45年

前極端にアヴァン・ギャルドだったものが

今日でも

依然としてアヴァンギャルドであり続けている

というお話です。

 

この写真を見れば

分かる人は分かる(なんのこっちゃ)

という

『ジョルジュ・ポンピドゥ文化センター』です。

 

 

この写真に写っている

『ジェラール・ガルゥト』の特別展に

行ったのですが

この画家のことは長くなるので別の機会に譲ることにして

この建物

本気でやばいな

という話です。。

 

 

ランドマーク的な

外壁のエスカレーターの底面を塗り直したらしくて

真っ赤。

 

 

あまり赤いので

これまで気づかなかった「このアングル」で

写真を撮って見る気になりました。

 

 

そもそもこの建物は

ド・ゴールの番頭格の保守党の重鎮ながら

ド・ゴールと正反対に

旧来のイメージにとらわれずに

社会を確信的に革新させた

現代パリの基礎を作ったようなリーダーの

執念の結晶なのです。

 

かつて

パリは欧州の中心だった。

 

ルイ14世以来

政治的に経済的に文化的に。

 

それが

20世紀アメリカの台頭で

その全てが

ワシントンとニューヨークに奪われつつあった頃

なんとか

パリが世界の文化の中心の役を再度果たすために

新たな総合的文化の中心を築こう

という意気込みで。

 

まあ

それは良しとして

建物の負荷を支える内壁を一切廃止し

構造材としての内壁の中に作られる

エレベーター・シャフトやダクト配管配線など

全てを外側に移して

しかも壁ではない外側の構造で

建物とフロアーの負荷を支えるとの発想。

 

1971年着工のこの建築物が

77年に完成した時

一体どれほど多くの人々にショックと嫌悪感を与えたか

想像するに難しくはない。

 

 

それが

完成後30年間で

設計時の2倍以上の人々が訪れるなんて

一体誰が想像しだろうか。

 

ということで

痛みが激しく

その後長年修理を続けてきたのです。

 

 

 

入場者の長蛇の列。

 

もちろん

「国立近現代美術館」の人気と

特別展の企画が素晴らしいこともありますが

当時の先端性は未だに愛され続けて

今日でも先端的構造物で

見学の対象であり続けているのです。

 

 

冒頭の写真の方は通りに面していて

入場口は外部エスカレーターの見える反対側で

入り口に向かってなだらかなスロープになった

広場を形成しています。

かつては

毎日多くの大道芸人が芸を競っていたのですが

世の中物騒になってきて

禁止されてしまった。

 

今では

お天気の良い今日のような日は

あちこちに若者が寝っ転がっています。

 

その中で

なにやら裁縫道具を前に

作業中の二人がいました。

 

 

もう一つの特別展

アメリカの20世紀を代表する女性肖像画家

「アリス・ニール」の大看板を背負う形で。。

 

 

どうやら横断幕を製作中らしい。

 

「FEMMES 女性」という字が見えるので

女権運動家かなにかのデモ用かもしれません。