先だって
「パリの6つの美術館でサンローラン」
というイヴェントについて
書いたと思います。
その一つ
ジョルジュ・ポンピドゥ・センターの
「国立近代美術館」に行ってみました。
この建造物は
曰く因縁やらエピソードやら山程ありますが
それは別の機会に。
壁面の斜めに折れながら続くパイプの中の
エスカレーターで5階に上ると
そこから2フロアーが「近代美術館」です。
今日の目的はサンローランとのジョイント・イヴェント
ではなく
『チャールズ・レイ特別展』んですが
それもさておき。
この美術館の常設展は
めったやたらと面白いのですが
「サンローラン」に関しては
20点程を
サンローランのデザインとマッチする
近代絵画の作品とが同じ部屋に飾ってあって
他の会場より
ダイレクトな感じでわかりやすかった。
まあ
それはそれで良いとして
実は思わぬ発見があったのです。
各フロアーの外側に
エスカレーターからつながる
回廊のような透明パイプの通路があるのですが。。
ここから遠望するパリの屋根は趣があって好きなのですが
真下の広場も見晴らせます。
この建物の
冒頭の写真の反対側の側面は太いパイプだけでできていて
まるで石油精製基地のごとき不思議な光景で
外の新鮮な空気を取り込む吸気パイプは緑
給排水の水関係が十ているパイプは青
電気や暖房などエネルギー関係を配管してあるパイプは赤
と色ごとに役割がわかり
一際巨大な白いパイプが館内からの排気様なのです。
それらの排気パイプは正面側の広場の下を通って
にょきにょきと地上に出ているのが見えます。
それを地上でみると。。
こんな風になっていて
開口部の中央に小さな円形の部分があります。
その部分に「目玉」が書いてあるのを見つけて
「おやまあこんな所にまで気の利いた落書きを...」
と写真を撮って
画像を確認してから驚いた。
でっかい目ん玉が見下ろしているのは
ウクライナの国旗の色の
『ヒビ割れたハート』
。。。。。
美術という
精神に安定をもたらす栄養分を満載した美術館は
しっかりあなた方の悲劇を見ているんだよ
って。
決して
見捨ててはいないんだよ
って。
誰が書いたんだろう。
美術館当局も気づいてるはずですよね
でも消さないでいてくれてる。
筆者は陽の当たる場所にいて
空爆に怯えて暗い地下に閉じこもっている
辛い体験中の人たちもいる。
この運命の境目は
一体誰が決めて
一体どこにあるんだろう。