また私事ですが
私は螺旋階段が大好きです。
この写真は
パリの17世紀の貴族の館を
内装も調度品もそっくりそのまま美術館にした
『ニッシム・ド・カモンド美術館』の
中央大階段です。
上の階から見下ろすと
次のようになります。
ほら
美しいじゃありませんか。
構造がもたらす美しさの効果は
瞑想的です。
ルーブルが所蔵する「レンブラント」の小品
『瞑想の哲学者』
という名作です。
闇を螺旋階段が切り分けて
左側にいるのは瞑想する哲学者。
瞑想という行為や
人間の存在を考える哲学者という存在は
日常を超えた形而上的存在。
窓から差し込む光が当たります。
右下をよく見ると
召使が暖炉の番をしています。
暖炉の火の番という行為や
召使という存在は
日常であり形而下の存在。
直接光は当たらず
暖炉の火の照り返しで表現されています。
その瞑想と日常
形而上的行為と形而下の行為とを
幻想的な螺旋階段が分けていて
周りは闇に包まれています。
個人的嗜好で言えば
「北方絵画」は余り興味がないのですが
この絵は大好きです。
やはり
螺旋階段は瞑想的。
幻想的で日常性から非現実の世界へ
導いてくれる魔法の扉...
次なるは
同じくパリの『ジャックマール・アンドレ美術館』
の大階段です。
これは
19世紀の資本家貴族の館で
常設展は貴族の館の調度品とコレクションですが
特別展が毎回素晴らしい。
階段は複雑怪奇な構造が実に美しく..
左右に相似形に一対
つまり
二つもあるのです。
建築家の才能に脱帽です。
ブログタイトルからはみ出して
ポルトガルの
『トマール王立大修道院』の
一つの階段をご紹介。
石だけを組み上げて
このねじれを作り出せるって
素晴らしい。
同じくポルトガルは「ポルト」の町の
『レーロ・イルマオ書店』
の階段。
ポルトガルの歴史的文化財に登録されています。
これは木製。
ここ普通の本屋さんですから
常に大勢のお客に混じって世界中の観光客も
歩き回ります。
いかがでしょう
皆さんも螺旋階段が好きになりませんか?
アクセクしなくても
瞑想に耽って生きてゆけるような
そんな世の中が良いと切に願うのですが
それだと霞を食って生きて行く事になりますか。。
仙人になりたい願望でした。