今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日もパリでユニークな展覧会

 

パリに

「ギメ美術館」というミュゼがあります。

 

19世紀のフランス人貿易商で外交官だったギメ氏が

日本も含めて

アジア各国の大使を歴任し

それぞれの国の美術品を買いあさって持ち帰った

ギメ・コレクションが

ルーヴルのアジア部局として国立美術館となり

今はルーヴルからは独立しているらしいのですが

アジアの東端から西端まで

北端から南端までの

あらゆる美術品を展示した膨大なミュゼです。

 

そこで

「東洋医学展」

という特別展をやっています。

 

 

看板はあまりそそられるものではありませんが

見に行ったら驚いた。

 

そしてとても面白かった。

 

冒頭の写真は

ネパールのシルク画で

ミクロコスモス(人体)と

マクロコスモス(宇宙)とは

連携して人体の健康を左右するという哲学を

示したもので

1806年製。

 

 

タクラマカンの砂漠で1888年に発見された

アユールヴェーダの教えで

ニンニクを眼病に用いるのアプローチを教えた

手稿医学書。

 

 

1860年頃のフランスの52本の薬瓶を背後に

19世紀中国の薬品戸棚。

 

以下に

多くの展示品の中から見つけた

日本に関するものを幾つか揚げておきます。

 

まず仏像3体。

 

 

17世紀半ば

狩野探幽作の地蔵。

 

主に子供の病気快癒と予防にご利益があるとされ

安産祈願の対象とされた。

 

 

18世紀から19世紀にかけての

薬師如来像。

 

 

象の群れの上に鎮座した19世紀の「普賢延命像」で

病気治癒と悪気退散の対象となっていた。

 

 

飯沼慾斎作「草木図説」

1856年頃出版された薬草図鑑。

 

 

ブロンズ製の大根。

 

その頃は

大根もお薬でした。

 

 

少年の晴れ着。

 

おそらく元服か七五三のような際に着用された紋付で

松竹梅は悪気を遠ざけ

鶴亀は長寿をもたらす。

 

以下幕末の写真2葉と版画1点。

 

医師の町着

 

脈をとる町医者

 

歌川国芳作「木曽街道52景/浅草/光明皇后」1852年

 

治療のためにらい病患者を沐浴させる光明皇后図。

 

さて

次からが今回のハイライト。。。

 

林ユウシ「人体解剖図」1842年

 

長大な巻物です。

 

頭の上部輪切り図と眼球

 

CTスキャンした画像のような....

 

頭蓋から摘出した脳髄

 

頭皮を剥いだ頭骨頂点部と硬膜を剥いだ脳

 

表皮を剥いだ顔面 下顎 頭骨の合わせ目

 

口腔と舌

 

脊椎 肋骨 手首

 

脊椎と骨盤

 

脊椎下部と骨盤

 

縦に切断した人体の背中側

 

足 上側と裏側

 

膝 肢の関節 手首

 

陰茎 睾丸

 

膀胱

 

 

中国や東南アジアやインドやネパールなどの

仏像や医術の神の神像

絵図と手稿

医術用の器具や道具

象牙細工

祈祷用の祭祀用具や民間呪術信仰の厄除け小道具

その他山ほど珍しいものが展示されてました。

 

面白いと思うでしょ

みなさま!?