今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の実力行使

 

マクロン大統領による

フランスの年金制度の改変の発表以来

全国で抗議行動が続いています。

 

この写真は1日前なのですが

ルーヴル美術館で

いつもとは違うストライキを目撃しました。

 

 

かつて

ミッテラン大統領が作らせた

新らしいエントランスの象徴である

ピラミッドの前です。

 

7世紀半かかって今日見る形に増改築されたルーヴル宮は

各時代の建物に入り口があり

全体としての正面玄関などなかった。

 

したがって

美術館も中央エントランスがなく

繁忙期には

幾つかの小さな入り口が

グループの大行列で大混乱をきたして

入場整理が破綻していたのよよく見かけたものです。

 

そこで

文化財である建物の一部を壊して玄関を作ったりは

できないので

中庭の一番奥に地下に降りる入り口を考え

採光のために

屋根をガラスで覆って作ったのがピラミッド。

 

その入り口が

後からニュースで知りましたが

ルーヴルの職員ではなく

スト派労組の外部の組合員によって封鎖されたのです。

 

 

地下にも別の入り口があるので

試しに見に行ったら

そこもあなじ状況でした。

 

毎年頻繁に起こるストは

9時の始業時間から1時間か1時間半の時限職場集会を

事前に表明し

当日のその集会で

その日開館するか開けないかを決め

10時半から11時頃に開ける

というのが定番で

他の労組員が入り口を封鎖しにくるのは

異例です。

 

もちろん同じ労組のルーヴルの職員も

混じっているわけですが。

 

「(年金受給年齢)64歳はノン」

良いう張り紙が象徴的。

 

 

フランスには

主な労組が8つあり

従業員は自分で選んで好きな労組に加入します。

 

自分が加盟する労組がスト指令を出すと

その人たちはストを行うので

同じ会社や組織の

同じ部署の中に

ストをやる職員と

やらない職員とが混じっているのが

フランスの面白いところです。

 

今回のルーヴルの入り口封鎖は

フランス最大の労組である

共産党系の「CGT」が行ったようでした。

 

「今回の制度改変は

 女性の職員だけ非常に不利になる」

という横断幕。

 

おそらく64歳まで働ける女性は

男性より少なく

実働年数が短い分

年金受給金額が減るということなのだろうと思います。

 

ちなみに

今現在は62歳が年金負担金払い込み満期退職でが

それ以前に退職すると

支払い期間の年数で

年金の支払われる率が異なるのです。

 

それが2年先送りということは

少しでも早く退職して

自由に暮らしたいフランス人にとって

大問題なのですね。