ちょうど
日本でも国会「論戦」が始まっており
検討使というニックネームを奉られた首相が
記者を前に会見を開いているところを
日本のテレビを専門に流す
JSTVという有料衛星チャンネルで見ることが多くなった昨今です。
フランスは目下
政府の年金制度改変の提案に
全国でストやデモが予定されています。
事の発端は
マクロン大統領が言い出して
社会的に騒然とする中
先月1月11日に政府から具体案の公式発表があり
その日の夕刻に
記者会見が開かれた時の
テレビ画面のキャプチャーです。
さすがに「国家元首」である大統領ではなく
内政の実務の担当責任者である「首相」が
会見に臨みました。
現在の
フランスの首相は『エリザベット・ボルヌ』さん
61歳。
20分間ほどかけて
政府案の全容を発表し
そのまま記者たちとの質疑応答に入りました。
記者たちは
最初に所属社名と自分の名前を名乗りますが
日本のそれのようにへりくだったところなど全くなく
ただ
疑問点を解明せんとして
質問をぶつけます。
記者によって
専門が少しずつ違うようで
質問内容の角度も様々ですが
一切「予定調和」の質疑ではなく
あくまで
疑問をダイレクトにぶつけます。
首相は
関係閣僚を伴って会見に臨んでいました。
向かって左から
「行革大臣スタニスラス・ゲリーニ」40歳
「労働大臣オリヴィエ・デュコプト」43歳
「経済大臣ブルーノ・ルメール」53歳
で
三大臣とも立ったまま。
逆に記者たちは椅子に座っています。
改変案の全体像に関しては首相が説明しますが
内容に応じて
三人の大臣も交代でマイクの前に立ちます。
記者たちは
それぞれ自分の得意分野から鋭い質問を飛ばし
時には批判も交えて追求します。
時には喧嘩腰になることも
珍しくはないのです。
もちろん
前もって質問内容の提出
などはありません。
首相を含め四人とも
原稿などもちろんない中で
よどみなく答えて行きます。
細かい数字を確認するときだけ
メモにちらりと目を落としますが
あとは全てフリー・トークです。
会見は2時間以上続いたようですが
私は1時間ほどで
テレビを消しました。
62歳から受給される年金が
段階的に
2030年には
64歳に引き上げられる今回の政府案は
国民にとっては大問題で
すでに全国各地でストやデモを頻発しいます。
それにしても
大臣たちの原稿なしの答弁には
いつものことながら
感心させられた会見でした。