今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の静物!?

 

美術のジャンルの一つである

「静物画」

の『静物』は

フランス語の「Nature Morte」からの

翻訳です。

 

「死の(命のない)自然」という表現で

英語では

「Still Life』

「動かない命」と訳されています。

 

 

昨日話題にした

ルーヴル美術館の特別展

『もの Nature Morte の歴史』

一番面白かったのが

これです。

 

おい!

 

って感じですよね。

 

 

オーストラリア人「ロン・ムエック」作

「静物 2009」

という彫刻です。

 

これ

静物なの?

 

確かに生きてないけど。

 

うひゃ

と思ってみたのですが

説明を読むと

感じさせられました。

 

2009年に始まった

豚インフルエンザが人間に感染して

パンデミックになって

新型ウイルスA型「H1N1」のもたらした

悲しみを表したのだそうです。

 

極限まで忠実な写実性と

極端な誇張されたサイズとが

作者の胸中の緊張感の発露なんだそうです。

 

何十万と死んでゆく

一番弱い生き物ニワトリ代表させて

社会が大混乱した悲劇を表現した。

 

この発想はなかった。

 

いや

すごいよ

この無機質でいながら迫ってくる生命の存在感。

 

 

周りに人がいつも多くいて

写真を撮るタイミングを待つのが

大変でした。

 

どうぞ

私の味わった

おかしさと

気持ち悪さと

感動とを分かち合わせていただきたく。。。

 

さて

以下に

「これが静物ってか!」

を何点かご紹介しておきましょう。

 

 

紀元前1世紀

古代ローマはポンペイの遺跡からの出土品で

ダイニングテーブルの天板だった

モザイクです。

 

骸骨人形が

両手に「ワイン」のピッチャーを持って

まあるい

小さな

黒い両目で

こちらを見ています。

 

繰り返しますが

食卓です。

 

 

ルネッサンス終末期マニエリスムの異彩

「ジョゼッペ・アルキンボルド」の

『冬』

1573年。

 

 

同じく『秋』

って....

 

これを

「静物画」に含めるセンスが

素晴らしい(笑

 

 

ちょっ..

ちょっと待ちなさいよ!

 

静物なの?

人体なの?

 

ルネ・マグリットの

「モデル・ルージュ」1935年

です。

 

同じタイトルで連作したうちの

一枚。

 

裸足の足は原始(nature 自然)で

革靴は人工(culture 文化)で

文明と野蛮との相克なんだそうですが。

 

おもろい。

 

 

最後に

サルヴァドール・ダリ作1956年

「生きた静物」

って...

 

なんという大きな矛盾!?

 

でも

確かに静物画のモチーフで

でも

静かに飛んでる。

 

さすがは

シュールレアリスムの天才としか

言い様の無い発想とネーミングじゃありませんか。

 

ということで

今日はこの辺でおひらきに致しましょう。