一週間前の6月25日土曜日
ガルニエでの今シーズン最後の演目『ジゼル』の
初日でした。
パリ国立オペラ座は
小屋を二つ持っていて
古い方が「パレ・ガルニエ」と呼ばれ
新しい方は「オペラ・バスティーユ」と呼ばれます。
シャルル・ガルニエの手で
1861年に建設が始まり
15年後の1875年に完成した当時の天井画が
1964年ポンピドゥ大統領によって
『シャガール』の天井画の置き換えられた。
主だった作曲家の名前と
主だったオペラとバレーの作品名が
周囲に書き込まれている。
客席部の屋根の青銅吹きの大クーポール(円蓋)の下が
リハーサル・ルームで
毎日時間割に沿ってバレーの出演者たちのリハが
行われている。
今回のジゼルでジゼルの相手役である男性主役の
『アルブレヒト』を演じるユーゴー・マルシャンは
8人しかいない男性エトワールの一人。
開演1時間前
舞台装置の確認をする大道具ディレクター。
初日の開演まであと1時間でも
演技のチェックをおろそかにしない出演者。
黒い服装はバレー団の指導教官。
初日の前日
関係者やその家族を招いて
有観客で行われた「ゲネプロ(最終舞台稽古)」
では全員公演の本衣装で演技するが
オケのマエストロは
黒のTシャツに黒のデニムでした。
舞台袖の奥に
豪華な装飾の「バレーダンサー用の部屋」があり
各々自分でリハーサルを行ったりする。
このシャルル・ガルニエの時代に取り付けられた
大糸巻きを人力で回して
ロープで舞台装置を30m上の舞台までせり上げたり
引き下ろしたりした。
もちろん現在は使っていない。
浅い地下水脈のある場所で地盤が軟弱だったため
巨大な建造物を傾かせない為に
重りの役で作られた
25mプールと同じ容積の貯水槽は
防火用水ではなく
染み込む地下水を集めているわけでもなく
少数の魚が飼われている。
開演1時間半前
外には観客が3箇所の手荷物検査のある入り口に
並び始めていた。
玄関口を入り
この目も眩むギャラリーの真下を潜って
大階段に至る。
客席は
平土間の席の周りの壁に4層の桟敷席があり
大階段のホールも
周りに4層のテラスがあって
知己を見つけて歓談したりと
オペラ座は観客も主人公なのです。