今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の祖国への犠牲者を悼む碑

 

フランスには

祖国のために命を捧げた兵士を

国家が讃える記念碑が多く存在します。

 

パリ・エトワール広場の凱旋門の真下に

「第一次大戦無名戦士の墓」

があって

ここが日本で言う千鳥ヶ淵の戦没者記念碑に

相当する。

 

その他

どの町や村にも必ず

そこから出征して帰らなかった人々を讃える記念碑が

役場の前や

教会の横などにあります。

 

兵士のレリーフを施した壁面だったり

立派な彫刻群だったり

騰だったり

形は様々です。

 

「Monument aux Morts」(死者への記念碑)

と言って

原則として

全員の名前が記されています。

 

その他にも

駅や総合病院や大学などにも

その施設から出征した非帰還兵のための碑があります。

 

 

今回

ユニークな記念碑を見つけました。

 

記念碑というより

記念公園のような構造で

ユニークなブロンズの彫刻群が設置されていて

その存在に気がついたのです。

 

遠目には

星条旗を立てる硫黄島の米軍兵士の群れ

みたいなものかと思ったら。。

 

 

帰還兵の棺を支えて行進する

兵士たちの姿でした。

 

担がれているはずの棺が無いだけで

全くそのままのポージングなのです。

 

 

 

 

よく海外の紛争地で命を落とした兵士が

軍用機でフランスまで運ばれてきて

到着空港に

大統領が出迎え

機体から降ろされた棺を追悼式典を行う場所まで運ぶ

兵士たちの姿そのもの。

 

 

長方形の広場の二方向に

一段低くした空堀のようなギャラリーがあって

そこの壁に

プレートが飾られていました。

 

 

「外地作戦従軍軍人たちへ」

「フランスの為の死」

「国家よりのオマージュ」

とあります。

 

その横には世界地図。

 

 

外地の作戦で

 フランスの為に斃れた死者への記念碑

 国家の気高き記憶の地」

とあります。

 

下には

「この場所は

 外地作戦でフランスの為に命を落とした兵士を

 記憶する為に作られた」

とも。

 

 

「中央アフリカ」

中央アフリカ共和国

 

 

「中央アフリカ」

コンゴ

 

の様に

「北アフリカ/マグレブ」

「アジア」

「太平洋地域」

「中南米」

などなど

世界各地の分類と

作戦に当たった国名があり

年号と兵士名が刻んでありました。

 

 

 

 

最初は

この群像に実際のひつぎを載せて式典を行う

そんな場所かと思ったのですが

そうではない様で

あくまで外地作戦での死者の記念碑の様です。

 

 

欧米人らしい観光客のカップルが

散歩をしていました。

 

人は死して神になる...

わけでは決してなく

あくまで宗教性などの入り込む余地はない上で

人間として国が厳粛に丁寧に

公式に讃える

そんな姿勢は

反戦主義者の私でも評価するところです。