今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の聖(ひじり)

 

この石像の主は

アッシジの「聖フランチェスコ」

です。

 

彼に献堂された教会の横を通りかかって

この聖人の石像が

とてもモダンで

かつ

分かり易かったので

取り上げてみました。

 

 

何がわかり易かったかというと

この花崗岩を荒削りにした立像には

あちこちに

小さな生き物たちがちりばめられて

いるからです。

 

 

右手には托鉢用の鉢を持ち

左手で子羊を抱いています。

 

子羊は

言わずと知れた

イエスのシンボルです。

 

そのまま足元には

狛犬のような顔が見えます。

 

 

正面から見ると微妙でしたが

横顔は

しっかり犬です。

 

 

そして何より

聖人の正面の右足先に

鳥たちが。

 

向かって左から

フクロウ。

 

何しろ

聖フランチェスコの説法は

あまりにも優しく慈愛に満ちていたので

小鳥たちまでが

彼の説法を聞きに集まった

と言う伝説を表しているのですよね。

 

 

彼は

50cmほどの高さの

岩のような台座の上に立っている姿勢なのですが

その台座の一番下の左側には

魚。

 

蛇はイヴにリンゴを食べるように誘惑して

楽園ではない苦難の世界にいることを教えた

悪の使い。

 

お魚は輪郭が

こんな感じでギリシア語の「α」となり

アルファベットの頭「α」と最後「Σ」

つまり「全能」を表す最初の字。

 

さらに

「イエス・キリスト 神の子 救い主」

をギリシャ語で書いて

頭文字を並べると「魚」という言葉になる。。。

 

これも

キリスト教徒のシンボル。

 

 

そして

台座の右側の一番下あたりに

岩に包まれるようにして

修道僧=人間

がいます。

 

左手の羽ペンで

一心に聖人の説教を書き写しています。

 

イタリアのアッシジの領主の出の彼が

十字軍の遠征に参加して

殺し合う人間の愚かさに気付かされ

帰国後は世俗の地位を投げ捨て

神に帰依して修道の道に入り

命の大切さを説いて回った。

 

そんな聖者にぴったりの石像だと思いました。

 

 

モリトーという町内にある

「聖フランチェスコ教会」は

大理石のプレートを張り合わせて

枠組みは木製。

 

パリにあっては

ものすごく新しい教会ですが

シンプルで美しく

好感が持てます。

 

 

 

内部はモダンな意匠で

ベンチや天井などは木製。

 

楕円形の本堂の

2辺に信者の席が並び

二階席もあります。

 

 

二階席から見るとこんな感じで

入り口の逆方向の壁が総ガラス張りで

とても明るく

ステンドグラスなどは一切ありません。

 

 

入り口の上の階にパイプオルガン。

 

教会は

通常平日の午後はミサはやってないので

この辺りを散歩する時

時々疲れたらこの教会に入って

無人で静かな空間を一人で占領して休息をとる

なんて贅沢をやることもあります。