今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の水滴

"Belle Lamps" BARBER & OSGERBY London

雨だれの雨粒の様な

ぶら下げられた酒瓶の群れの様な

はたまた

漁港にまとめて干してあるブイの様な

なんとも不思議で

でも

美しい装飾(?)が並んでぶら下がっていました。

 

 

左岸のあるデパートの

某有名ブランドのコーナーの装飾です。

 

革製品を多く扱っているブランドだけに

お手の物の皮の細工が

とっても繊細で美しい石上がりで

乳白色のガラスのホヤをぶら下げています。

 

中には電球が入っているらしく

鈍位けれど

明かるい

暖かな光で

全体を照らしています。

 

 

照明器具としての作りも

工業デザイン的に素晴らしく

皮細工としての仕上がりも見事。

 

時どき

高級シャンパンのギフト用パッケージで

特注の皮製ホルダーがついている事がありますが

「高級品」に分類されるカテゴリー商品では

手間暇厭わず「金に糸目も付けない」商品開発をする様で

皮を使うこの手の細工も

ある種の共通点に基づいているようです。

 

しかもこのディスプレー

ロンドンの工業デザイン会社に発注した

アート作品でした。

 

「美しいランプ」と言うタイトルで

<価格応談>

と書いてあります(オソロシイ)笑

 

 

その先に目をやると

こんなマヌカンが立っていました。

 

ここまでくれば

このブランドの現在のプロモーションの一環である事は

一目瞭然。

 

 

背後のカラフルな装飾は

よく見ると

同じデザインの各色色違いの

「タッグ・ケース」

でした。

 

「水玉」(=水滴)のキャンペーンのコンセプトを基に

発想やアイテムを変えて広げてゆくセンスは

さすが

現代芸術の啓発と作品発表の場として

巨大なホールを持っている

この会社のやり方に

感心するばかりです。

 

 

結局

河岸まで歩いて「オルセー美術館」のところに出たら

そのキャンペーンの

巨大な広告が貼ってありました。

 

きっとこの会社のメッセナで

改修工事を始めるのでしょう。

 

儲けたら

社会に還元する。

 

フランス

特にパリでは

歴史的建造物の大改修工事などという

巨額の費用を要する部分に

この種の企業に支出してもらって利益を還元し

国は足りない文化予算を補ってもらい

企業は法人税を節約でき

文化財は蘇るという

当地では定番の光景ですが

これぞ「ウイン・ウイン」の最良の具体例です。