今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日のしじま

 

午前中の早い時間には氷点下だった気温も

お昼ころには3度

夕方の一番暖かい時間帯で7度

そして夜にはまた2度くらいまで下がった

という

暖かいんだか寒いんだかよく分からない

2月9日でした。

 

そんな今日のパリの空は

まるで

ナビ派の

「モーリス・ドゥニ」や「ピエール・ボナール」の

一部の絵画の様な

もっと言えば

『ピエール・ピュビス=ド=シャバンヌ』の壁画のような

粉が吹いたような

霞がかかったような

白っちゃけて

静寂に満ちた

不思議な色合いを呈していました。

 

 

いつも見慣れたエッフェル塔も

なんだか

別の塔のような

よそよそしい感じで

御簾の向こう側に静かに佇んでいらっしゃいました。

 

 

かつて通った

パリ第4大学ソロボンヌの建物の

幾つかある中庭の一つに

ピュビス・ド・シャバンヌの壁画が

あったような記憶が

ふと戻ってきて

懐かしい記憶に浸った一瞬でした。

 

 

暮れなずむ空が

青空を染める夕日の反射で

うっすらとオレンジが織り混ざった

そんな空が

霞のヴェールを纏った様に

一切のメリハリをなくして

下界と隔てられて頭上を覆っていました。

 

 

夕焼けは翌日の好天を告げてくれることは

よく知られていますが

夕霞というのは

翌日のお天気を

どんな風に予告をしてくれるのだったか

思い出せません。

 

しかし

時が止まった心象風景の様な

精神のうねりの中で己を見つめている様な

象徴主義絵画の与える様な不思議な静けさが

心地よい夕刻でした。