今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の走り

Reine-Claude

一つの季節の到来を告げる

「先駆け(走り)」のフルーツが

出ていました。

 

『レーヌ・クロード』という名前の

プラムの一種です。

 

和名はないようで

日本ではほとんど見ることはないものの

一応「グリーンゲージ」と

英語で呼ばれるらしい。

 

「レーヌ・クロード」とはクロード王妃という意味で

一説によると

16世紀前半

国王「アンリ2世」と

王妃「カトリーヌ・ド・メディシス」の娘で

ロレーヌ大公「シャルル三世」に嫁いだ

『クロード・ド・フランス(ヴァロワ)』が大好物だったために

この名がついたと言われているようです。

 

ロレーヌはこの緑色のプルーンの名産地です。

 

別の説では

アンリ2世の父親『フランソワ1世』の

最初の妃の「クロード・ド・フランス」に因んで

とも言われているらしい。

 

本来直径2,5cmから3cmで

今年初めて見かけたこれはまだ小さく

2cmあるかないかという

小ぶりのものでした。

 

梅の実と同じような種があります。

 

見かけたのは

近所の

アラブ人が経営する小さな青果店。

 

1kg6ユーロ

走りにしては安い!

 

フランスでは

以前より移民の北アフリカのアラブ人が

小さな食料品店を営むケースが多いんです。

 

触らなかったのですが

まだ固いようでした。

 

固いと

ほとんど甘さを感じず

梅の実のようなゴリゴリとした感触ですが

熟すと

柔らかく果汁もたっぷりで

とぉ〜〜っても甘いのです。

 

8月が旬で

冷蔵庫から出したての冷たいのを

あんまり甘いので手や口の周りがベタベタになりながら

時々甘みで咳き込みながら食べまくります。

 

冬の時期は

ジャムを買ってきますが

これもいける。

 

さらにもう一つ。。

 

Cerise-Rainier

『スリーズ・レィニエ』という

黄色いさくらんぼです。

 

さくらんぼ春先から夏いっぱい出回りますが

今が旬で

写真の両端に写っているような

南仏産の深紅色のものから

日本で「アメリカン・チェリー」と呼ぶ

南米から来るほとんど黒いものが主なのですが

6月の終わりから7月のはじめ頃に

この「レィニエさくらんぼ」がごく少量

東北部「ロレーヌ地方」と

プロヴァンスの「ヴァントゥ山」周辺で収穫されます。

 

日本の流行歌だった「黄色いさくらんぼ」は

甘酸っぱい初恋の味

と謳われていましたが

この種はとってもとっても甘いのです。

 

現時点でさくらんぼは

1kgあたり10ユーロほどですが

これは19ユーロ99と倍の値段。

 

でも

糖度28%と表示してある!

 

甘いメロンの倍です。

 

季節感のある作物は

生活のメリハリには不可欠ですね。

 

今は冬季には南半球から果物を輸入しているので

さくらんぼもメロンもスイカも

1年中売ってますが

私は頑なに

やはり自然に逆らうべきではない

と信じて疑わない化石人間です。