今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の「花は咲く」

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ここは「真っ白な雪道」ではないけれど

「春風」は薫ります。

 

シャンゼリゼの

広い緑地帯の一角に

巨大な花束が突き出しているのに気がつきました。

 

何だろうとびっくりして

近づいてさらに驚きました。

 

何とも

場違いにしか見えなくて。。。

 

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横に見えるのは『プチ・パレ』ですが

何とも

収まりの悪いツーショット。

 

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台座の下に

なにやらプレートが嵌めてある。

 

で見てみると

『ジェフ・クーンズ』

『チューリップの花束』

だそうです。

 

この人

アメリカ人(多分オランダ系)の

ポップアート・クリエーターで

風船細工のプードルをカラフルなアルミで作って

何億円ででも買ってくれるファンがいる

現代芸術家。。。

 

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下を行く人たちと比べると

その余りに余りな巨大さが

一際

異様さを際立たせています。

 

さらに別のプレートがあって見てみたら。。

 

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2014年から2017年まで

駐仏アメリカ大使だった「ジェーン・ハートレー」

のイニシアティヴにより

2015年〜2016年にかけての

パリとフランス全土における

テロの悲しみを

パリの市民と在パリアメリカ人コミューンとで

分かち合うために贈られた

とありました。

 

それまでの

嫌悪感は消え去り

しんみりとしてしまった。

 

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2015年1月

「シャーリー・エブド紙」襲撃

同年11月

「バタクラン劇場」襲撃

2016年7月14日革命記念日

「ニース花火大会現場」襲撃

その間に

パリや地方都市での『ダーイッシュのテロ』が

連続した。

 

驚きと

悲しみと

嘆きと

怒りと

虚無感に苛まれた時期だった。

 

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「いつか 生まれてくる君に

  私は 何を残しただろう...」

 

このNHKのキャンペーン

最初は胸を打った。

 

だがしかし

10年経っても繰り返し続けられると

あまりのあざとさに

気分が悪くなってしまう。

 

犠牲者の方々への冒涜ではないのか

とすら。。。

 

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それにしても

あまりの鮮やかな色彩と

あまりの巨大な存在感とに

一連のテロの犠牲者への同情と連帯とが

負けてしまうような気もしてしまうのです。

 

全然話題になってなくて

設置後2年半にしてやっとこの存在を知った私としては

どう反応すれば正解なのか

やや微妙な気もする。

 

やはり

これはこれで

底抜けのアメリカン気質なのだろう。