2月最後の日曜日
昨日に続いてドピーカンの好天で
サングラスがないと陽の当たるところでは
目を開けていられないほど。
道端の小さな緑地に
クロッカスが咲いていました。
ラッパ水仙も咲いていました。
今や
いきなり春爛漫を謳歌し始めたパリは
とうとう降雪を見ることなく
この冬とお別れをしてしまうのか。。
セーヌの水面を舞う「ムーシュ(みずすまし)」
鈴なりの観光客を乗せた『バトー・ムーシュ』が
逆光の中で
水面を滑って
Uターンしていきます。
初めての知らない公園を見つけて中を歩いてみると
ボクサーがトレーニングに励んでいました。
17世紀
ブルボン王朝時代にルールが定まった
キックを認める
フランス式ボクシング
『Boxe française』です。
スネ全体を覆う大きなガードをつけた方が受け役で
小さな脛当ての方が攻撃役での
トレーニングなのかな。
少し離れたところでは。。
お年を召したご婦人が
お一人で
朗々と舞を舞うかの如くに
気功に励む姿がありました。
こういうのを
「孤高の姿」と
表現するのだろうと。
彼女の周りだけ
時の流れが止まったかの様に見えて
一切の雑音と雑念とが消え去り
宇宙にただ一人の存在である自分の
内面を満たす様な空気が
彼女を包んでおりました。
我が家の前の商店街まで戻ってくると
モードの店のウインドーが
春の到来を高らかに宣言する使命を果たすかの様に
昨日まで気づかなかった
明るく華やいだ原色に満ちています。
2月も余すところあと一日のみ。
春はあけぼの...
いや
ここはフランスだ
春は色彩。
長い冬が終わり
空を暗く覆っていた低く垂れ込める雲が去り
皆が待ち焦がれていた
生命の再生の息吹をもたらす太陽が再び訪れ
色彩が蘇る。
ボッティチェリと印象派の世界が
また巡ってきた。