今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日「睡蓮」の大連作を追ってみた

 

春のラモー(復活祭直前の日曜日)から

秋の諸聖人祭(11月1日)の後の日曜日まで

半年間しか空いていない「モネの家」に

今年の閉館直前にもう一度と思い立ち

行ってみました。

 

もうお花はないかもしれないので

行っても面白くないかも。

 

でも

ギリギリ最後まで

何らかのお花が見られるように

庭づくりをしているはずと考え直して。

 

 

パリから長距離電車で小一時間。

 

お花が溢れる庭園もさる事ながら

睡蓮の池のある日本庭園が

雨の中で

周りの樹木の紅葉で

夏場以上に情緒があった。

 

300枚前後は存在するらしい

モネの名高い「睡蓮」は

20年以上の間に亘って

春夏秋冬

早朝・午前・午後・夕刻

テーマを変えながら様々に書き続けられた。

 

私も百枚ほどは見ているものの

秋の睡蓮は

あまり見たことがない。

 

それでは

自分で写真で再現してみようではないか

というわけで.....

 

 

こんな時期なので

期待していなかった睡蓮の花が

しっかり咲いていました!

 

 

それまで

光は明るいか暗いかというもので

色彩には関係ないと思われていた。

 

ところがその色彩は

実は今この瞬間の光が創りだしている

ということに気がついたモネは

刻々と移り行く光線の

今の瞬間を色彩で捉えて

キャンバスの定着させてみようと思い立った。

 

それが印象主義なのです。

 

 

光の変化を

もっとも直裁的に感じ取れるのは

水面の反射。

 

ジャポニズムの影響もあって

日本庭園を作り

池を作って睡蓮を植えていたモネにとって

パリを離れて晩年を暮らす中で

もっとも創作活動を刺激されたのが

睡蓮の池だったわけでしょう。

 

 

雨で光が乏しく

写真では確認しづらいのですが

この絵の肝心な点は

空と

空と水面の間の空間と

空や周囲が映る水面と

水の中と

池の底の

5層を一度に二次元のキャンバスに表そうとしたこと。

 

 

キャンバスの中に

水面に映る青い空と白い雲

池の岸辺の柳その他の樹木の枝や幹の写り込み

水面に浮かぶ睡蓮の葉と花

水の中の水草などを

光の変化で映し出す努力。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水面は

太陽の方向は白い反射で

近くの草木によっては

茶色かったり暗緑色や紺色だったり。

 

映る枝と

水面下の水草とが重なり合っていたり。

 

最晩年は

白内障とリウマチに悩み

痛む腕で

絵の具を思うように塗れずに

怒りのあまり

ペインティング・ナイフでキャンバスを

切りつけたりしながら

最後の方では

絵の具を塗りたくっただけのようにすら感じる

ほぼ形のある表現はなくなっていったとはいえ

どれもが素晴らしいのですが

写真などでは

辿れるわけがありませんでした。

 

 

白と

赤と

紫と

ピンクと

ブルーの花を見つけて

大いに価値のある遠出となりました。