今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日のタイム・トンネル

 

なんだか

見るからにレトロな空間がありました。

 

私有地(集合住宅など)のエントランスなのか

通路か

極小パッサージュなのか

不明ですが

きになる空間。

 

門扉になにやらプレートが貼り付けてある。

 

 

「パッサージュ・デ・2パヴィヨン

 月曜から土曜の

 8時半から20時まで

 一般通り抜け可」

と書いてあります

 

奥に人が歩いてるし

入って見ないわけにはいかないじゃありませんか。

 

 

わずか10mあるかないかの

ごくごく短いパッサージュの片方の側に

幾つかの

小窓の様なウインドーが並んでて

メガネが置いてありました。

 

メガネ屋さん??

 

 

薄暗い内部をガラスの隙間から覗くと

確かに

メガネの展示が見えます。

 

今日は定休日なんだろうか。

 

4畳半ほど(昭和的な表現w)の

狭い店舗

というか

お客様との対応室か。

 

「メゾン・ボネ

 1930年創業

 オーダーメイド眼鏡クリエーター」

壁に誇らしげに記してあります。

 

もしかしたら

知る人ぞ知る

隠れた名店なのか?

 

 

ここからフレームを打ち抜くのであろう

樹脂や鼈甲のプレート見本が

並べてあります。

 

 

タイマイの甲羅も。

 

今や

ニューヨーク条約で

特定の手続きを踏まないと

移動させることすらできないはずの貴重品。

 

 

隅っこに

まるで銃弾の後の残るサビた鉄板

みたいな扉があって

痛く興味を啜られる。。。

 

「レトロ」というものを

絵に描いて

皿に盛り付けて

額に飾った見本のごとき存在。

 

 

ウインドーと反対側の壁面には

なんとも手作り感溢れる工房がありました。

 

パッサージュの両側がお店の様です。

 

 

 

 

モーターの両側に突き出すシャフトで

研磨用の砥石と

磨き用のフェルトが

回転する仕組み。

 

プレートからフレームを撃ち抜いた

そのままが前に飾ってある。

 

 

顧客の資料を入れる

アーカイヴ用のキャビネットなのでしょう。

 

でも

このテンガロンハットに

ヒゲで黒めがねのおっちゃんは

一体誰だ?

 

 

フェルナンド・レグロス?

晩年のハンク・ウイリアムス?

ピーター・ウォルフ?

 

わからん。

 

この手の特徴は

逆に個性を消しますよね。

 

この店の常連だったおじさん

かもしれません。

 

 

鼈甲縁のでグラデーション・サングラスも上品ですが

下の

真鍮製のノギスが憎い。

 

たった10mほどの短い

タイムトンネル。

 

ただ

普通のタイムトンネルは

通り抜けたらタイムスリップするはずなのですが。。

 

 

ここは

その短いトンネルの中自体が

時が止まったままの空間

でした。