今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の時代感

 

パリ市内には

「パッサージュ」という名の

スポットがあり

一部の観光客に大人気です。

 

19世紀後半

第二帝政の時代に

急な雨でも紳士淑女があわてふためかなくて良い様に

路地の上に

ガラスの天井を作って

雨を避けられて

かつ

ウインドー・ショッピングも続けられるように作った

いわゆる「アーケード街」のはしり

のような場所の事です。

 

最盛期には300箇所ほどもあったらしく

現在30箇所弱が現存しています。

 

文化財として

まっさらに修復したところもあれば

かなり傷んだまま

時計が止まったような

古色蒼然としたところもあって

非常に「フォトジェニック」なポイントです。

 

 

そんなパッサージョの一つ

『パッサージュ・ショワジル』に

これまた

大層な時代を感じさせる「文房具店」が

残っています。

 

このパッサージュは

傷んでいたので家賃が安かったのでしょう

安物の衣料品店や

安物の靴屋さんや

倒産寸前のようなアートギャラリーや

よくわからないコンセプトショップがあって

その中の一軒です。

 

 

パッサージュにあるお店の大多数は

間口一軒みたいな小口の店なのですが

ここは4〜5件分のスペースがあり

高級感あるお店。

 

書斎で使うものを商っていて

日本で考える文具店とは

商品構成も

趣も

全く違います。

 

 

ね?

雰囲気が違うでしょ。

 

 

封筒に「封」をして

開けたらわかるようにする「封蝋」やら

そのロウソクで溶かして親指大に落とした蝋に

刻印をするブロンズ製の印章やら

聞きなれない物も多く売っているんですが

ここにあるのは

とっても現代的で且つかわいい系。

 

上段から

縦方向に据え置き型のペン立て

栞みたいなメッセージカード

ガラスの半球形の文鎮

携帯用ペン入れ

消しゴムやらクリップやらを入れる汎用性の物入れ

(マウスケースみたいですがマウスにはやや小さい)

最前列の小さなフィギュアはおそらくペーパークリップ

などなど。

 

驚いたのは。。。

 

 

量り売りのインク!

 

インクと言っても

プリンターのカートリッジではなく

手書きのペン用の

正真正銘の「インク」が

5色。

 

これは今時

とっても珍しい。

 

この店では

昔貴族が使ったような

文字が盛り上がった

銅版画製の名刺もオーダーできます。

 

 

その他

和風の意味不明な小物店が減っている今

まだ残る店の一軒で

なぜか笑ってるトトロ風の6匹のぬいぐるみが居た。

 

小物を真剣に見つめる

現地のお姉さんたち。

 

一人が着る

カタカナの文字の入ったTシャツが

目点。

 

 

150年以上の

時間の証人である「パッサージュ」を

尋ねてみるのは

楽しいひと時です。