今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の板っきれ

 

チョコレートのお話。

 

フランス語で「板チョコ」は

Tablette de chocolat(タブレット)と言います。

 

そして

タブレットは一般的に

板・上板・棚板・列車や航空機の(折りたたみ)テーブル

錠剤

などを指す言葉で

パソコンとスマホの中間みたいなアレも

フランス語ではタブレット。

 

ところで

日本でチョコレート製品を作って販売する

チョコレート屋さんはあまり聞かない様ですが

当地では

自分でカカオ豆から粉に引いて

チョコの素材を作り

いろいろな工夫をして一粒ずつのチョコレートを

作りだして

自分の店で販売するというのが

「ショコラティエ(チョコレート職人)の商売なのです。

 

商店街によく見かけます。

 

 

そして

薄く平らに伸ばしたタブレットを

お客の好みの大きさに切って(割って)

量り売りする

という事も普通でした。

 

このような

文字通り「チョコレートの板」を

無造作に積み重ねてある光景は

ショコラティエの店内に普通に見られたものでした。

 

そんな「乱暴な」板の販売は

最近はかなり珍らしくなってしまって

今や木箱に上品に納められ木製のハンマーを添えて

商品となっています。

 

 

以前

初めてこのようなチョコレートの商品を見たときは

かなり驚きました。

 

「わ。板で売ってる!」

 

というより

「板チョコ」の原点ですよね

これ。

 

 

なぜか

表面にナッツをあしらったものが

大半を占めています。

 

ただのミルクチョコやブラックチョコの「板」だと

逆に商品価値が無いのかもしれません。

 

 

想像してみてください。

 

子供たちが息を凝らして見守る中で

お父さん(お母さんでももちろん構いません)が

板にハンマーを打ち下ろして

破る光景を。

 

きっと

子供たちから歓声が上がるに違いありません。

 

あとは

ドレミファで大きさがまちまちの破片を

どの子が一番大きいのをもらえるかで

きっと

一悶着起こるのかもしれませんね。

 

 

最後の写真は

かの大シェフ『アラン・デュカス』の経営する

チョコレート部門のお店のタブレットなんですが

ハンマーは添えられていませんでした。

 

もしかしたら

別になってて

ついてくるのかも。

 

何れにしても

チョコレートを開封するのは

特別な瞬間ですよね

洋の東西を問わず

老若男女も問わず。

 

ガナッシュや

プラリネの小粒もいいけれど

豪快に板を割る

というのも

捨て難いと思う私なのであります。