今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の「らしくない老舗」



とあるお店の

ウインドー・ディスプレイですが

一見して

何屋さんだかお分かりでしょうか。

 

 

部分的に見てみましょう。

 

明らかにそれとわかるものは

「ペロペロキャンデー」

「シュガー・ボンボン」

「ドラジェ」

など。

 

ちなみに「ドラジェ」とは

アーモンドをお砂糖でコーティングしたもので

赤ちゃんが生まれた時にお祝いに贈る定番で

その他

結婚式やお祝いごとの引き出物に使われます。

 

瓶入りの「飴色」のものは

「Arrangé アランジェ』という梅酒みたいなもので

ラム酒に

梨やイチジクなどの果実や

ミントの葉

鞘ごとのバニラ

などを漬け込んだもので

食後酒

あるいは

デザートの時の飲みものです。

 

『JOMO』は

最近はやりの「フレーバー・ティー」で

紅茶や日本茶と

果実やハーブなど3種類くらいを抽出したもので

冷やして飲みます。

 

 

手前にあるゴルフボール状のものは

プラリネ・チョコレートですね。

 

ミルクチョコと

ホワイトチョコとが有る。

 

その右の

「Tuiles au chocolat テュイル・オ・ショコラ」

薄焼きビスケットを

チョコレートでコーティングしたものか

その形に作ったチョコレート。

 

さらにその右に

ゲームのコントローラーの形の

チョコレートがありますね。

 

瓶入りのものは

トースト用のチョコレート・ペーストで

2種類違うみたいです。

 

 

そう

このお店

実はチョコレート専門店なのです。

 

ウインドーだけでは

とっさに普通のお菓子屋さんかと思ってしまう。

 



確かに

奥の両側の壁の棚は

あらゆる種類のチョコレートが

たくさんあります。

 

でも

ディスプレーは

「らしくない」のですよ。

 

 

正面は

間口4mほどの小さな店構えで

写真左上の看板は

板切れに

店名を焼き入れただけの素っ気なさ。

 

反対に

左右と上を飾るオーナメントは

19世紀風の

ガラスの金文字焼きという重厚なもの。

 

 

正面右の柱壁の部分に

「チョコレート商 1860年」

と書き込んであります。

 

その下には

上部に当時に店内の様子と思しき絵が

下部には当時の工房の様子が描いてある。

 

 

反対側

店の左の柱壁部分には

当時の「カカオ」を運ぶ帆船が描かれています。

 

 

このような

歴史がそのまま息づいているような

各種の商店が

パリにはそこそこ残っていますが

文化財と言っても良い貴著なものだと思います。

 

近年

高級な「ショコラティエ」が持て囃されており

宝石店で宝石を買うような雰囲気ですが

個人的には

このように歴史の中で商品を選べるお店が

大好きです。