ユネスコの横を通りかかったのです。
そうしたら
何やらすごい顔の爺婆の写真がずらりと並んで
こちらを見ていました。
しわくちゃの
人生の縮図そのもののような。
くちゃくちゃで歯の抜けた爺様だったり
髭の生えてるようなお婆ちゃんだったり。
あまりに凄いインパクトなので
道路を渡って恐々近づいてみたら
氏名と
略歴の書かれたカードが横に其々つていました。
『アウシュヴィッツの生還者』でした。
フランスは
先の大戦でナチスに寝込みを襲われるように全国を占領され
無駄な抵抗して犠牲を増やすより共存した方が良いと
判断したペタン元帥が
南部ヴィッシーという町に臨時政権をつくり
一方
ロンドンに亡命したレジスタンスが亡命政権を宣言して
抵抗を呼びかけた。
その「ヴィッシー政権」が
フランスでもユダヤ人狩りを行って
かなりの人数をドイツに送ったのです。
その時まだ子供だった人たちが
幸運にも途中で逃げられたり
収容所内で終戦を迎えたりして
生き延びられた人達の内の200人でした。
すでに故人もいて。
よそ行きの服でおめかしをしたおばあちゃんもいて。
重い散歩になった。