今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の暁に茶の道を嗜みたいお話

 

連日ドピーカンで

午後は30度を超える暑い日が続く今日この頃。

 

今朝なぜか早い時間に外に出たのですが

朝日がエッフェル塔を包み込んでいました。

 

 

空にも

セーヌの水面(みずも)にも

朝日を背にしたエッフェル塔が

誇らしげに存在していました。

 

 

セーヌを離れて

建物に挟まれた朝日と逆方向の空は

すでに暁とは思えぬ明るい青空になっており

その中に

有明の月が半透明で空間に張り付いていました。

 

 

昨日の夕方

店じまいしたある商店の跡の

改装工事と思しき覆われていた工事中の場所に

新たなお店が開店準備をしていたのですが

今朝しっかりオープンしていました。

 

「コンセルヴァトワール・デ・ゼミスフェール

という

とてもじゃないけれど日本語に訳せない

店名。

 

あえて訳せば

「半球の学院」か。

 

二分の一球体を意味するエミスフェールは

北半球とか南半球という意味にもなり

それが複数形。

 

コンセルヴァトワールは

美術学校とか音楽院とか

かなり意訳して温室とか。。。

 

 

戸口を入ったすぐの床に

足拭きマットに店名が

誇らしげに存在してました。

 

そして

たまたまそのお店を個人的に知ってたのです。

 

左岸サン・ジェルマン・デ・プレ界隈にある

お茶屋さん。

 

原料の茶葉やハーブの育て方

摘み取りから

製品にし上げる工程までの

伝統的な

手を抜かない厳密な作業にこだわる

名店なのです。

 

それが近所に開店したとは

良いニュースかも。

 

 

巻頭の写真が

最も雄弁に語っていますが

内装の伝統に縁取られた古めかしさの中に

正当性を感じさせる

極めて上品な造作。

 

それが

数世紀を経たものではなく

こんにちの仕事であることは

この分野の専門家達の仕事の質とレベルをを

感じさせてくれます。

 

「patiné パティネ」というフランス語があって

緑青のついた青銅細工や

「経年変化」のみられる素材の表現ですが

新しく作った家具調度品工芸品などを

時代を経ているかのように仕上げた様子も

指します。

 

 

こんな雰囲気に身を置くと

紅茶も

ハーブティーも

ドライフルーツなども混ぜたフレーバーティーも

「本物だ」と

思わざるをえないですよね。

 

 

ネームプレートの上の

丸いぽっちをつまんで引き抜くと

そのまま大型スプーンのような形で

中に収められた茶葉が

とり出せる引き出しですが

とてもいい。

 

美しいものを見た嬉しさとともに

この店で

定期的にお茶が購入できるように

稼ぎが増えれば良いのになあ〜と

わが身を振り返った

朝の散歩でした。