今日は
何のひねりもなく
セーヌの岸辺と中州を歩きながら見た
心洗われる光景
をおすそわけしようと思います。
で
パリ市内を流れるセーヌが
南西の角から街を出る
その最下流の橋から2本目が
『ミラボー橋』
という
「ギヨーム・アポリネール」の詩で名高い
鉄製の橋なのです。
「ミラボー橋の下をセーヌは流れる...」
という
「方丈記」の冒頭のような謳いだしは
堀口大学の和訳も
素晴らしい翻訳の傑作なのですが
その橋を右岸から左岸の方に渡る時
左手が『エッフェル塔』です。
ポンピドゥ大統領の近代化政策で
60年代末から70年台半ばに造られた
新建築の中層住宅ビルの「醜さ」も
今や
こんな風に見ると
それはそれで。。。。。
一つ上流の橋が
『グルネル橋』で
その中ほどに
名高い「自由の女神」が
ニューヨークの方角を見て立っています。
ミラボー橋の装飾の先端に鳩が留まっていて
面白い写真が撮れました。
自由の女神の後ろは
このブログで頻繁に登場する人工の中州
「白鳥の小径」で
背景に夕日が立って
純白に輝いていました。
ミラボー橋を渡り切って
左岸の川岸の道を1kmほど上流に向かって
グルネル橋まで行ってみました。
よく歩く定番のルートなんです。。
橋の真ん中で
「ラ・リベルテ(自由の女神)」の背中を見ます。
これもお約束。
下流の方向が西日のある方なので
逆光で
上手く撮らないと
黒いシルエットみたいにしか写りません。
そして
逆向きに「白鳥の小径」に降りてゆくのですが。。
行く手から
小学校中学年とおぼしき子供達が
元気よくやってきました。
そうこうするうちに
今度は背中の方から
トレーニング中の若者たちがやってきて
追い越して行きました。
この中州は黄葉しない落葉樹ばかりで
どの木々もまだ葉っぱが付いていて
その緑の背景に
真っ赤なトレーニングシャツが
吸い込まれるように
溶け込みながら
あっという間に去って行きました。
そのまま進むと
面白い残骸に出会ったのです。
パリ中にわんさかあるステーションで
借りて
別のステーションに乗り捨てる
「電動キックボード」が一台
なんと
こんなところに打ち捨てられていたのです。
誰だか知りませんが
とんでもない奴がいたもんだ。
回収されることもなく
汚れ放題に朽ちてゆく姿は
哀れにも美しい....なわけないか。
毎日20度を切る
涼しい秋の日が続いている
9月下旬に入ったパリの街です。