今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日もクマは居る

 

今を遡ること三年ばかり前

コロナ禍の最初の頃

フランスはパリ市に厳密なロップダウン体制を敷いた。

 

バスと地下鉄は走っていて

市役所や行政機関は開いていたが

あらゆる商店が営業を停止し

カフェもレストランも閉まり

美術館も映画館も劇場も活動を停止した。

 

市民は

通院や行政サーヴィスの受給ため以外は

毎日1時間だけ

自宅から半径1kmの範囲で

一定条件の元に散歩ができたのみだった。

 

そんな頃

町中がゴーストタウンの様な寂しさの中で

あるカフェのオーナーが

歩道のテラス席を撤去せず

そこに

等身大のクマのぬいぐるみを座らせた。

 

 

それがきっかけとなって

パリのかなりのカフェやレストランが

同じ様な行動に出て

ちょっとした市民の慰めとなっものだった。

 

そして今

パリはコロナ禍以前以上の観光客で

大賑わいとなっている。

 

 

 

そんなパリで

今でもクマさんを「優遇」しているカフェに

時々出会うのです。

 

 

なんだか

モロ懐かしい。

 

 

あの異様な日々の光景がまざまざと脳裏に蘇り

こんな言い方は変だけど

懐かしい気持ちすら湧き上がってくるのは

なぜだろう。

 

 

人々は

未知のウイルスの脅威に怯えつつ

平静さを失わずに

やっとのことで「普通の」生活を取り返してきた。

 

それなのに

相変わらず

民族皆殺しのような愚行が世界の各地で続いており

止む気配はない。

 

人間の存在の意義って

一体何なのだろう?