今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の第三期

 

今日5月28日のパリは

文字通りの「五月晴れ」でした。

 

陽光溢れる

雲ひとつない青空が

あらゆる建物の屋根の上を覆い尽くして

視覚が青く染まってしまうみたいな

錯覚に陥ってしまいました。

 

 

とある

幹線道路の内側の

静かな住宅地を歩いていたら。

 

目の前に建物が現れて視界を遮ったのです。

 

しかしよく見ると

その建物の地上階部分がアーケード状になっていて

向こう側まで

通り抜けられるようでした。

 

 

くぐり抜けて振り返ると

くぐる前と同じよな光景が広がっています。

 

そして

その建物は

パリの市立託児所でした。

 

しかも

向こう側も

くぐったこちら側も

同じ名前の通り。

 

なんでこんなことになったんだろ?

 

そして

この写真の様に振り返って左側に

一塊の木立のある空間があった。

 

 

生垣で囲まれた敷地の一角に門があり

パリ市の紋章とともに

「Residence autonomie 自活高齢者住宅

  レストラン

 シニア・クラブ」

という門札がかかってました。

 

要するに

体が不自由ではないお年寄りの

専用社会住宅なんです。

 

行政サーヴィスとリンクしていて

街中の

商店や各種公共施設に近い

静かなところに建てられる

軽度の家賃の集合受託で

各自の居住部分と公共部分とから

成り立っている

というのが自活高齢者住宅の定義です。

 

それに付随して

老人クラブとレストランもあるらしい。

 

 

門の位置から中を覗くと

広々としたスペースの奥に住宅用の建物がある。

 

一本の木の下あたりにテーブルがあって

人影が。

 

 

二人のご婦人が

なにやらIT端末を前にお仕事中...w

 

 PCではないようなので

ゲーム器かしら??

 

「自活高齢者」と銘打ってある通り

自分の身の回りのことが

全部自分でできる

つまり

介助の必要ではない高齢者のための住居施設なんですね。

 

当然

医療介護や介助を伴う

いわゆる「老人ホーム」もあちこちにありますが

ここは

普通のアパルトマンと全く同じ雰囲気で生活できて

自治体の社会補助課の目が

行き届いている

という

なんだか理想的な住居環境らしいのです。

 

話には聞いていたものの

実物は初めて目にしました。

 

 

ヨーロッパでは

高齢になっても

子供達と同居をするケースは稀で

みなさん一人で普通に生活し

自活できなくなったらホームに入る

という社会のパターンが確立しています。

 

ちなみにフランスでは

未成年期

成人就労期

に続いて退職後の世代を

「第三期年代者」と呼びます。

 

 

清々しい好天の日曜日の光の中で

清々しい余生の送り方の

実態を見て

私自身も清々しい気分になりました。