今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の牛

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こんなのがありました。

 

突然だったのでびっくりして

かつ面白そうだったので例によって写真に撮って

改めて「肉屋」の看板だということがわかった。

 

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最初分からなかったのは

屋号などの類が何も書いてないから。

 

ただ「出口」と書いてあるw

 

ところが

そこはT型三叉路になっていて

直角に曲がったほうが入り口が有る正面だったのです。

 

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「ブッシュリー」

つまり肉屋と書いてあって

「入り口」とも。

 

コロナ以来店内の導線が交わらないように

出入り口を分ける

ということが

可能なお店の間では普通になってしまいました。

 

ただ肉屋に「牛の頭」が掲げられている光景は

長くこちらに住んでいるものとして

これまで見たことがなかったのです。

 

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「馬の頭」の看板は誰もが見慣れているはずで

最近非常に減ってきましたが

「馬肉屋」です。

 

これは偶然同じ銀色ですが

リアルな茶色の場合が多い。

 

実は肉の本場ヨーロッパでは

分業制なのです。

 

牛肉を中心に仔牛と羊(仔羊)を扱うお店が

「BOUCHERIE ブッシュリー」で

馬肉が「CHEVALINE シュヴァリーヌ」

豚肉をその加工品(ハム・ソーセージ類)と鶏肉が

「CHARCUTERIE シャッキュトリー」

さらに内臓(あらゆるホルモンの部位)が

「TRIPERIE トリプリー」

と呼ばれます。

 

10年ほど前の「口蹄疫」の世界的流行で

牛肉の消費が一挙に落ち込んだ時代に

牛肉屋さんが豚肉や鶏や内臓も扱うようになって

境界線が崩れてきているのが現状です。

 

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それにしても

この銀色に燦然と輝く「牛頭」の

見事なこと。

 

美しいとすら言っても過言ではない

かも。。

 

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余談ですが

「タルタルステーキ」と呼ばれる

生肉のたたきは

本来は馬肉です。

 

タルタル人(中央アジアの騎馬民族)たちが

戦争に遠征し

自分の乗馬が倒されると

それを食料にして「生で」食べていた

という伝説からそういう名前に

なったとか

ならなかったとか。

 

最近は

馬肉が一般的ではなくなったために

気軽に手に入る牛肉で作られる様になったんだそうです。

 

馬肉の方は脂が少なくて

食べ易いんだそうで

牛肉は脂肪が多く生食には余り適していないんだとか。

 

今日のトリビアでした。