今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の牛肉事情

 

どこかで書きましましたが

フランス(欧州全域?)では

「肉屋」という肉に関する全方位的職業はありません。

 

「Boucherie  ブッシュリィ」牛肉屋

「Charcuterie シャキュトリィ」豚肉製品屋

「Volaillerie ヴォライユリィ」家禽(鶏肉屋)

「Chevaline シュヴァリーヌ」馬肉屋

「Triperie トリプリィ」臓物屋

などに専門ごとに分かれ

よく好まれる「羊」は牛肉屋で扱います。

 

量販店でも

精肉コーナの展示台は上記の区別で並んでいます。

 

そして

肉と言えばやっぱり牛肉ですよね。

 

巻頭の写真は

牛肉屋の職人(ブッシェ)さんが

「コート・ド・ブフ(ビーフ・リブ)」を

切り分けているところ。

 

近年フランスでは

普通の肉屋でも「熟成肉」を扱っていることが

多くなりました。

 

 

この写真の一番下の真ん中

30,95ユーロ(kgあたり)とかいてある部位です。

 

これは

落としてすぐ中央市場に送られ

この店が買い取ってきた

おそらく

まだ5日くらいしか経っていないものだと思います。

 

 

これは別のお店の写真ですが

ステーキとして最も好まれる部位

「Entrecôte アントルコート」(リブ・アイ)

やや高くて39,90ユーロ。

 

右はやや脂肪の少ない

「Basse Côte バース・コート」(リブアイより

先)

この店では同じ値段です。

 

それが...

 

 

左にある

「ノルマンディのアントル・コート 45日間熟成」

だと65,90ユーロとなります。

 

右の「Faux Filet フォー・フィレ」(サーロイン)

も同じ値段。

 

ノルマンディ地方はミルクの大生産地で

飼育しているのは乳牛で

オスは生まれてすぐ去勢し6ヶ月ほどで

「仔牛」として出荷し

メスは1歳から経産牛となって搾乳され

3年ミルクを絞り

5年目で肉用として出荷しますから

これは「乳牛」ということです。

 

肉牛より少し安くなります。

 

 

そして

「アントル・コート」も「フォー・フィレ」も

120ユーロというのがありました。

 

熟成肉は

30日・60日・90日・120日が

熟成日数の基準なので

値段からいって60日物かと。

 

それ以上だと

肉色が茶褐色になってる筈。

 

 

我が家の直ぐそばの

「高級(笑)スーパー」の精肉コーナーには

熟成中の枝肉が見える

ガラス張りの冷蔵室があります。

 

でも大多数のパリジャンたちは

スーパーで

もっと安い肉を買って食べているわけです。

 

「ステーキ」は

高級料理ではなく

「鯖の塩焼き」みたいなものなのですから。