今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の髭床

 

床屋さんの話です。

 

最近の日本では「ヘアー・サロン」というらしく

偏見を承知で言いますと

男女の区別なく

一見ホスト風のニィサンが

軽快にお客様の間を飛び回ってる感じ。

 

(注)意見には個人差がありますw

 

フランス語で髪結い職人とその店のことを

「Coiffeur(コワファー)」か

「Barbier(バルビエ)」と言います。

 

最初の呼び名は男女共通で

後のは男性専用です。

 

なぜなら「Barbe」は頬髭の事で

一応女性にはないことになっているようですから...

 

フランスも

日本の「へアーサロン」のような店で

男女兼用というのも最近は多くなりましたが

一方では

未だに「硬派」な男性専用の「理髪店」も健在なんです。

 

 

閉店日のこのお店

「バーバー・ショップ」と英語表記がしてあり

軒の看板には

立派な口髭とはさみとカミソリ。

 

オペラ「Barbier de Sévilles セヴィリアの理髪師」は

厳密に言うと

「セヴィリアの髭剃り師」となるのです。

 

冒頭に挙げた写真のお店。

 

実に立派な「黒ひげ」のポパイのようなシンボルマークが

店頭を飾っております。

 

 

口の端に加えた「コーンパイプ」も

まるで海賊船の船長になったポパイみたいな

威風堂々のお姿。

 

そして

ディスプレーのオブジェが

もうたまりません。

 

 

見事な真鍮の乱波を誇らしげにかざす

手回し蓄音機の

美しいことと言ったら。

 

 

さらには

齧りすぎて吸い口のあたりがねじ曲がってしまった

お約束のコーンパイプ。

 

そして

なぜか火打石式の短筒。

 

いいないいな。

 

でも

もっとイケてるのが

右端に一部しか映らなかった

蛇腹式レンズのクラッシック・カメラ。

 

欲しいなあ〜。

 

 

店内を覗き見ると

これが実に古色蒼然たる重厚なインテリアで

個人のお宅のバーカウンターを流用したに違いない

受付のカウンター。

 

もはや「受付」としか

呼びようがございませぬ。

 

肝心の鏡の前の整髪椅子は

お客様がいたので撮せませんでしたが

とにかく全てが趣味の良い

一世紀ほどタイムスリップしたかのごとき

優雅で

かつ男性的な雰囲気に満ち満ちております。

 

 

店名は『赤ひげ』(笑

 

散髪28€

頭部剃り(スキンヘッドですね)25€

7歳から14歳まで22€

散髪と「ぼかし(何だろ?)」で45€

 

バリカンでの髭の立体カット22€

頬髭全体のデザイン調整と蒸して輪郭仕上げ26€

伝統的髭剃り€

等々。

 

高くも安くもないお値段設定です。

 

 

行きつけのバーでくつろぐ

みたいな雰囲気にさせてくれるに違いない

理髪店でした。

 

でも

海賊船長ポパイw