今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日のお引越し

 

建物の外壁に

華奢なハシゴ状の腕が立てかけてありました。

 

引越し業者のリフトです

左奥にはトラックも見えています。

 

パリの建物は

ほとんどが30mほどの高さのある中層の集合住宅で

5階建から8階建。

 

石造りの頑丈な建物で

階段は玄関ホールに備わる「螺旋階段」です。

 

その階段の渦巻きの中に

19世紀後半にエレベーターが

取り付けられました。

 

建物は

エレベーターの発明より前から建っているものが多いので

必然的に空間が乏しく

無理やりはめ込んだ

みたいな構造なのが普通です。

 

建物の規模によっては

大人が3人横並びで登っても問題ない

大きな階段もありますが

普通は一人で登るのが前提の幅で

当然その内側に収まるエレベーターも

小さいです。

 

2人からせいぜい6人しか使えない。

 

つまり

引越しの荷物は

大型家具などはエレベーターに入らないわけなんです。

 

階段を

えっちらおっちら運びあげるわけですが

窓が通りに向いていれば

リフトを使います。

 

 

業者の一人が

荷物を載せてリフトを上に送っています。

 

ちなみに

水色のポールは

シェアー電気自動車の充電ポストで

その場所を

引越し業車さんが

リフト車のために使っているわけですね。

 

ほとんどの場合は駐車スペースなんですが

1〜2日前に業者は

「某月某日引越しのためにこの場所を使用する」

と案内板を出して場所の確保に努めます。

 

 

荷物を乗せる部分は

せいぜい2x2mほどしかありませんが

それだけあれば

結構なんでも載せられる。

 

 

しかも結構速い速度で運ばれて行きます。

 

 

この引越しは

最上階かその一つ下のようで

レールは一番上まで伸びていました。

 

タイヤ付きの車輪が付いていますが

これは

支える時に建物を痛めない為の

プロテクションの様です。

 

 

それにしても

下から見上げると

薄っぺらいアルミ製の板が頼りなく見えますが

ピアノだって持ち上げられます。

 

 

さらによく見ると

載せ台からそのまま内側につながっているわけではなく

アップライトピアノの場合

小さいもので200kg

大きいものは300Kgほどもあるのを

2〜3人で持ち上げて中に入れて下すわけですから

恐れ入るばかりの力仕事です。

 

 

そうこうしているうちに

もう一台別のワゴン車が真下にやってきました。

 

フランスにも

大手の引越し専門企業はありますが

ほとんどの場合

必要に応じて人員を調達し

リフトや大型トラックなどは専門業車からレンタルして

作業を請け負う

個人商店のような業者が多く活躍しています。

 

 

あの上から

ピアノが落っこちる光景がちらりを頭に浮かんで

ぶるった事は

また別のお話。。