今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の傑出した古老

 

パリ『国立自然史博物館』という施設があります。

 

16世紀大航海時代に

旧世界ヨーロッパは

新世界を発見し

植民地が続々と作られた。

 

17世紀になると

欧州各国の王室は

植民地に学者を派遣し

動植物や文物の収集に努める。

 

18世紀には

それら収集物とその研究成果を

発表し保持するために

百科全書の編纂や

博物館の設立が始まる。

 

その時代

ルイ15世治下に作られたのが

『Museum de l'Histoire Naturelle』

(自然史博物館)

フランス語で普通「Musée」というのを

この施設だけ「Museum」と名付けた。

 

これが

そのまま英語にもなった。

 

 

そこの前庭は

「Jardin des Plantes(植物公園)」と呼ばれていて

国立美術館博物館協会の一員で

ありとあらゆる

ジャンルごとの植物を見ることが出来るのです。

 

そこに何やら不思議なものがあった。

 

 

最初

まだ片付けてない

伐採された倒木かと思ったのですが。

 

 

何やら

「この先立ち入り禁止」

みたいなバリケードが見える。

 

幅は20mを優に超え

高さが2m程の枝の塊。

 

「立ち入り禁止」

等とあれば

当然その奥を覗きたくなるってもんです。

 

それで

覗きましたよ

そしたら。。

 

 

その中は空間だった。

 

折りたたみ傘の「柄」を短く畳んで

傘は広げたまま床に置いたような

まるで大きさの割に背の低いテントの中を

覗くような感じ。

 

そして

直径1m程もあろうかという幹があって

地面のすぐ上で

何本もの枝が伸び

それぞれがそのまま地面まで垂れ下がっている。

 

 

なんとそれは

日本の「桜の木」でありました。

 

「プルヌス Gp サトウ・ザクラ シロタエ」

という学名の

「花桜の木」

という銘板。

 

しかも

フランス全国の

際立った個性を持つ樹齢の古い樹木を

文化財として公式に保存する組織による

『Arbre Remarquable 傑出した樹木』

の認定証が張り出してありました。

 

 

いやあ

驚いた。

 

フランスは日本の桜の木は結構多いけれど

殆ど幹を垂直に育て

2m程の高さで同じ位置から枝を伸ばす

という育て方。

 

こんなに

地を這う様な「しだれ桜」があったなんて!

 

 

写真右隅を歩く人を見ると

その大きさが

おわかりいただけることでしょう。

 

この「自然史博物館」は

写真に写るメインの建物が「生物の進化館」

その他

「古代生物学と骨格学館」

「鉱物学館」

「植物学資料館」

等々があり...

 

 

ありとあらゆる恐竜や古生物の

完全骨格化石が

壮観に並ぶ「古代生物学/骨格学」館の前に

草食恐竜の置物がありました。

 

 

彼が生存していた時代から地上に存在する

「羊歯」の茂みに首を突っ込んで

食事中のようです。