今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日のダンディー

 

7月2度目の日曜日

午後は27度。

 

太陽は容赦なく照りつけ

暗くひんやりした日陰からいきなり日溜まりに出ると

一瞬目眩がするような強烈な光が

思考を止めてしまう。

 

まるで

カミュの『異邦人』の最後

ムルソーが

死刑になる瞬間の太陽の光を想像させるような

そんな夏の午後だった。

 

なんて

常になくキザな書き方をしてしまいました。

 

なんでこのような

青臭い「文学青年」みたいになってるかというと

通りのとあるイートインとテイクアウトの飲食店の

歩道にあるテーブルに

まるでシチリアのカフェに座る

コーザ・ノストラの主人公のような

粋で素敵な爺様を見出したからなのです。

 

アルジェリアがシチリアに飛んでしまったけど(笑

 

 

真っ白の

皺一つなさそうなスーツに

白い靴。

 

かすかにブルーの入ったシャツ姿で

地中海人のような風貌の爺様が

サングラス姿で

テーブルにどっかと座ってござる。

 

なんという迫力!

 

手には一冊のペーパー・バック

(まさか『異邦人』ではあるまいな?)

 

いいなあ

様になってるなあ

「キザが服着て息してる」みたいな。

 

70歳くらいだろうか。

 

スマホをいじっているのではなく

本を読んでいるのです

眉間に皺を寄せながら。

 

そこが良い

スマホじゃなくて本。

 

かっこいいなあ

ダンディーの極みだ。

 

この午後は

日陰を歩くと思いの外涼しくて

時々影の全くない場所を10分くらい歩いても

日陰に戻れば体は冷えて行き

汗は出ない。

 

理想的な

夏の日曜日の午後の散歩をして

一時間ほどで

先ほどのテラスの店の前に戻ったら

いましたよ

まだ。

 

 

先ほどはなかった飲み物を前に

お友達の爺様と

気軽にくつろいでいらっしゃるご様子。

 

私も

白のコットンの上衣やズボンは持ってるし

白の靴も持ってるけど

ヴァカンスに行って

海辺か山間の素敵なホテルで夕食

という状況にでもならないと

パリの普通の街中では

身につける勇気がない。

 

そんな私は

まだまだガキンチョのようです。