今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の究極の至高

 

また

気まぐれに「ルーブル」を覗いてきた。

 

『サモトラケのニケ』は

数え切れないほど

何回も何回も見ているが

毎回感動に心を揺さぶられる。

 

紀元前200年から180年の間くらい

作者は特定されていない。

 

弱小国家ロードス軍が

大国シリアとの海戦に勝利したことを記念して

『サモトラケ島』に

海戦の行われた海域を望む方向に向いてつくられた

記念モニュメントの

目玉だったはずの彫刻。

 

1865年頃発見されたが

大小1000個以上の破片に割れていたのを

組み立てたらしい。

 

いざ敵艦隊に向けて発進せんという時

天井から『勝利の女神ニケ』が旗艦に天下り

ギリシア側の勝利を伝えてロードス軍を鼓舞し

シリア軍に向けて出発を指揮する姿勢で

戦闘艦の舳先に両手を広げて上にかざして

屹立したポーズだったらしい。

 

両腕と頭部は発見されていない。

 

 

向かって右前方45度から風を受け

泡立つ海水を浴びて濡れた薄衣が

強風で体に張り付いている様子が最高に素晴らしい。

 

当時も

その角度から鑑賞するよううに

記念碑は作られていたそうだ。

 

 

 

反対側から見ると

右斜め前方から見たときほどの繊細さはないが

逆に

濡れた衣が風の力で体の右側に押されて

もたついている様子が

うまく表現されている。

 

 

 

発見から100年後の1950年代半ばに

右手の手のひらの部分が

発見された。

 

 

全体の構造といい

バランスといい

各部の詳細な表現といい

雄々しさや力強さといい

艶やかさといい

この彫刻に勝る作品は

おそらく存在しないのではないだろうか

とすら言えるほど

至高の究極の作品であろう。

 

 

置かれた

厚さ20cmほどの平らな台座と

戦闘艦とは

ロードス島産のグレーの大理石で

ニケ本体は

パロス島産の白い大理石。

 

台座から

羽の上部までの全高は5m半に及び

重さは35トン

だそうです。

 

眼福のお裾分け。