パリには
南仏の町々ほどではないにしろ
噴水が結構たくさんあります。
それぞれ
造られた時代を代表する
その町の建築家や彫刻家が起用されて
装飾的に優れたものが
多いのです。
地方の町では
各家庭に水道などなかった時代には
町内の水場として
欠かせないライフラインでもあったわけで
水源から延々と導管を用いて
給水していたのですが
現代までそのまま
その水道管を使っている例すらあります。
都会では
その町の都市計画の一環として
町の景観に欠かせない要素の一つでもありました。
ところで
ひと頃に比べると
最近のパリは町の鳩の数がめっきり減って
公害が少なくなっていて
皆喜んでいるのですが
それでもまだ
それなりに鳩はおりまして。
噴水は
彼らにとって格好の浴場となるわけです
特にこれからの季節ともなると。
サンジェルマン大通りに
小さな空間の緑地帯があって
そこに地味な噴水があったのですが
案の定鳩君たちが群がっておりました。
羽で水をすくい上げて
バタバタ羽ばたくように体に水をかけている光景は
残念ながら撮せなかったものの
まるで浮世絵の
湯屋の女性たちのように
体をねじって乾かしたり
羽繕いをしている光景を収めることができました。
冬の期間は
当然水は止めるのですが
以前都心のもっと大きな噴水に
なぜか水盤に水が張られたまま凍っていて
その氷の上に
まるで猫が香箱座りしてるみたいに
脚をたたんでちょこんと乗っかっている鳩の写真を
撮ったことを思い出しました。