今日もパリの街角で

数枚の写真とともに パリの日々刻々をご一緒に

今日の初物

 

時節柄やむをえないところですが

「青物」の話題になりがちな昨今です。

 

『アスペルジュ・ソヴァージュ(野生アスパラガス)』

がドサっと売られていました。

 

5月に入って

時々見かけてはいたものの

小さな束が2〜3束

他の旬の野菜や果物の間に

ディズプレーの飾り程度に置いてあるだけでした。

 

今日は

本格的な量で売られていて

いよいよシーズン到来という感じが

溢れています。

 

地中海沿岸では

古くから親しまれてきた植物だそうで

3月後半から4月初旬には

採取が始まるんだそうですが

商品として

量的に成り立っているのを見るのは

今年初めてです。

 

ほんの若芽でしか見かけませんが

プロヴァンス地方に行けば

もっと伸びて

イガイガのついた枝の固い物も見かけることがありますが

苦味があるそうです。

 

筍と一緒で

芽が出るか出ないかの頃が

一番美味しいわけですね。

 

バター・ソースやマヨネーズでも美味しいですが

胡麻和えや

出汁に御浸しにしてもいけるんですよ。

 

ハシリといえば。。

 

 

『Pêche Plate 平桃』

もでてきた。

 

まだ色が深まっていない。

 

これ

2千年前の中国で

食べる時髭が果汁だらけにならないと

皇帝に好まれたことで広まって

すぐ日本にも伝わったんだそうです。

 

アレクサンダー大王がペルシャで見つけて欧州に伝わり

今の種は

1980〜90年代に

フランスの国立農業試験場で

中国産とペルシャ産とスペイン産とを掛け合わせて

生み出されたとか。

 

これも「初夏」を伝える

「初鰹」みたいな感じですか。

 

勿論

ひと夏中出回ります。

 

 

「さくらんぼ」もハシリ。

 

日本の方が「アメリカン・チェリー」とよく呼ぶ

色の濃いものは

南米あたりから冬でも輸入されていますが

この「プロヴァンス産」のものも

初夏の到来を告げるハシリの果物です。

 

果物売り場には

変わった箱に入った苺も売られてた。

 

 

別に化粧箱ではありませんが

出荷用の木箱を黒いセロファンで覆って

中身が見えるようにした中央の透明の部分が

ハート型。

 

苺はすでにひと月前からたくさん出回っていて

「旬」と言って良いほど今が盛りですが

このプレゼンテーションは...

と思ったら

もうすぐ「母の日」だから

その為の商品なのだろう。

 

ちなみにフランスは

アングロ・サクソンの国々と違って

「母の日」は5月の最後の日曜日なのです。

 

もともと古代ギリシアの「豊穣の女神」を祝う日から

キリスト教の時代に「母性と出産」を祝い

一年に1日教会に集う日に変化し

それに由来しているそうです。

 

今年は5月29日。