「...ったく
ぼくが
せっかく飼い主を散歩に連れてきてやってるっていうのに
途中で友達と出会って
おしゃべり始めちゃったよ」
「いつまで待ってても終わらないから
もう
知らない」
「ぼく
寝ちゃうよ
寝ちゃうんだよ
いいんだね
寝ちゃうからね」
「...って
全然気がついてないんだから
信じられないよ
せっかく
散歩に連れてきてあげてるっていうのにさ
何考えてるんだろ」
「やってらんないよ」
「寝ちゃうからね
知らないよ」
「こんな
素敵な散歩日和だっていうのにさ
人間って
一度おしゃべり始めたら
止まらないんだよね」
「歩道の真ん中に立ち止まってだよ」
「平気で
散歩に連れてきてくれたぼくのこと忘れて
いつまでもしゃべってるんだよ」
「これ
寝ちゃうしかないよね
もう
ぼくは
怒ったからね」
「知らないよ
寝ちゃうんだからね」
「あーあ
もっと端っこによって喋ればいいのに
周りが
何にも見えてないんだよね人間ってさ」
でも
あったかくて
歩道の舗装がポカポカして
気持ちいいなあ〜」
「もう
こうなったら
起きないからね
散歩したいって言っても
もう知らないよ〜」
飼い主「さあ行くぞ」
お犬様「や〜だよ」
飼「ほら行くんだってば」
犬「やだってば」
飼「ちっちゃい子が笑ってるそ」
犬「いいんだもん笑わせとけばいいんだもん」
飼「ほら立つの」
犬「だから立たないの」
飼い主A「やれやれだよなあ」
飼い主B「君の子は言うこと聞かないじゃん」
飼い主A「こいつ今日のおやつは抜きだな」
お犬様「えっ えっ おやつ抜きって言った？
でも もう歩きたくないなあ。。。」
飼い主AB「おいてくぞー」
